「9月場所? 今はハッキリ言えない」

 こう話す横綱鶴竜(32)の声は、どこか弱々しかった。

 22日に国技館で行われた定期健康診断に出席。23日から夏巡業に復帰するが、懸念はケガだ。今年1月場所で左鎖骨、頚椎斜角筋を痛め、5月は左足関節、7月は右足関節とケガに次ぐケガ。

 2場所連続途中休場を余儀なくされた。現在も万全の状態には程遠く、土俵上での稽古すらできない。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は先場所後、「ケガをするということは、力が落ちている証拠。次に出場する場所で勝てなければ、潔く決断しなければならない」と、成績次第では引退も示唆していた。

 来月10日に初日を迎える9月場所まで、3週間もない。この調子では土俵に上がることなく、引退ではないのか。

 ある親方は「おそらく9月場所も休場して、11月場所で勝負をかけるのではないか」と、こう続ける。

「井筒親方は『次に出場する場所』と言ったんでしょう? それなら9月とは限らない。もっとも、11月場所でもせいぜい、8割程度しか力は戻らないのではないか。ケガが完治した後は、時間をかけて再び相撲勘を養う必要がある。しかも、今の鶴竜は自信を喪失している。昔から不用意な引き技で相手を呼び込む悪癖があったが、ここ数場所はこらえきれずに、はたくことが多すぎる。本音を言えば、11月場所も休みたいでしょう」

 休場は横綱に許された特権のようなものだが、鶴竜は優勝3回の、いわば「並の横綱」。それが2場所連続休場に加えて、さらに2場所休むとなれば、その時点で進退問題に発展することは免れない。かつて1年以上、休養した貴乃花(現親方)とは実績(優勝22回)が違う。

 11月場所が、鶴竜の最後の土俵になりそうだ。