佐藤俊氏が推奨するスタメン布陣。キーマンには切り札としての起用を予想する乾貴士を挙げる。

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 勝てばロシア・ワールドカップ出場が決まる8月31日のオーストラリア戦は、いかなるスタメンで戦うべきか? 同24日の招集メンバー発表前の段階で、4人の識者にアンケートを実施。推奨したいスタメンとこの試合でキーマンとなる選手を挙げてもらった。
※『サッカーダイジェスト』2017年9月14日号(同8月24日発売)より抜粋、一部加筆修正して掲載。

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 ワールドカップ出場を懸けた試合、しかも相手はワールドカップ予選で、一度も勝ったことがないオーストラリアだ。ホームとはいえ、相当のプレッシャ-と極度の緊張がかかるゲームになるため、若手よりも経験豊富なベテランの力がポイントになる。よって長谷部と今野の起用はマストだ。長谷部という現場監督の復帰はプレ-面、精神面で大きな意味を持つ。

 ふたつ目のポイントは、本田のCF起用。怪我をした大迫が間に合わなければ、前で収め、決められるトップは彼しかいない。大迫が出場可能な場合、インサイドハ-フへも回せる。

 3つ目はスペインで復調した柴崎の抜擢。恐らくかなり堅い試合になるので前半は0-0で良い。勝負は後半、途中出場した選手が鍵を握る。乾がその役割を果たす可能性が大きい。
 
文:佐藤 俊(スポーツライター)
さとう・しゅん/63年生まれ、北海道出身。出版社勤務を経て、93年にフリーランスとして独立。サッカーだけにとどまらず、幅広いジャンルで健筆を振るう。
 
 この時期、欧州組は開幕直後でコンディションが上がり切っておらず、日本の暑さや長距離移動も影響する(そのことは昨年9月のUAE戦で思い知ったはず)。そこで、欧州組は経験豊富な選手たちに絞って、国内組主体でチームを構成した。
 
欧州組のコンディションが心配なのはオーストラリアも同じだが、進境著しいロギッチなど攻撃陣は強力だ。ただ、守備には弱点を抱えるので点の取り合いになるのは必至。そこで、Jリーグで好調な金崎と小林悠を起用し、そこにプレミアリーグ開幕戦で得点した岡崎を絡め、攻撃的布陣とした。いずれも大型DFと互角に勝負できる選手たちで、その間隙を縫って香川がスペースに飛び出す形が理想的だ。
 
 大島は昨年9月のUAE戦の頃から急成長。当たり負けもなくなった。もう一度、代表でピッチに立たせたい。
 
■著者プロフィール
後藤健生(サッカージャーナリスト)
ごとう・たけお/52年生まれ、東京都出身。64年の東京五輪を見てサッカーの虜になり、W杯は74年の西ドイツ大会から欠かさず取材する。著書に「サッカー紀行」など。
 
 勝たなければならない一戦。ひとつのミスが命取りになりかねないため、不確定要素は排除しておきたい。そのため現在の調子よりも実績、さらには今予選での出場機会を重視して選考を行なった。冒険のない顔ぶれとなったのは、そのため。経験豊富で勝負強い本田の復調は心強い材料だ。

 故障中の森重、大迫の代役には、それぞれ昌子、岡崎を選んだ。キーマンは原口。ゴールを決めたアウェー戦のように、敵の弱点である背後のスペースを突きたいところ。チャンスメイク、得点源の両面で外せない。

 この時期は海外組のコンディションに不安があるため、ベンチには今野、小林、金崎を置きたい。また試合の重みを考えると、闘莉王を呼んでもいいかもしれない。もちろん、ストライカーとしてだ。

文:熊崎 敬(スポーツライター)
くまざき・たかし/71年生まれ、岐阜県出身。欧州、南米に限らず、世界各地のサッカー事情に精通する。著書には「日本サッカーはなぜシュートを撃たないのか」など。
 大迫の復帰にメドが立たず、予選で最高級の貢献をしてきた原口の状態も未知数。不確定要素が多いだけに、今上げ潮の選手を極力活用したい。
 
 もし大迫が使えれば、スプリント能力、継続的な上下動ともに優れた武藤嘉を右で起用するのも得策。また香川の状態次第では、スペインで評価を高める柴崎の抜擢も面白い。長谷部、山口をボランチに配して柴崎をトップ下で起用するのも良いが、長谷部の状態が万全でなければ、山口をアンカーにして4-3-3という手もある。
 
 今回最も読み難いのがハリルホジッチ監督の判断だ。オーストラリアとの真っ向勝負を避ける可能性もあるが、ポゼッションに拘る相手のスタイルを考えても、守備に傾き消極的になると致命傷になりかねない。効果的な攻撃を構成するためにも、復調していればボランチには長谷部を配したい。
 
文:加部 究(スポーツライター)
かべ・きわむ/58年生まれ、群馬県出身。86年のW杯メキシコ大会を機にフリーとなり、様々な媒体で健筆を振るう。著書多数。「サッカー通訳戦記」を新たなに上梓した。