ここ数年、ECの誕生発展を受けて、各国では実体経済が軒並み打撃を受けている。だが実体ある小売業態の1つである日本のコンビニエンスストアは、流れに逆らい好調な勢いをみせている。

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ここ数年、ECの誕生発展を受けて、各国では実体経済が軒並み打撃を受けている。だが実体ある小売業態の1つである日本のコンビニエンスストアは、流れに逆らい好調な勢いをみせている。現在、日本国内のコンビニ店舗数は2010年に比べて1万1千店増加し、海外にも進出して、最大手のセブンイレブンなどは海外店舗数が4万2千店に達した。(文:張玉来・南開大学日本研究センター副センター長)

コンビニは日本で40年におよぶ歴史があり、ひな形にはイトーヨーカ堂が導入した米国のセブンイレブンモデルとダイエーが米ローソンミルク社を参考にして創業したローソンモデルがある。今や日本のコンビニの年間売上高は11兆円に達し、大手スーパーに迫る規模だ。平均面積が110平方メートルほどで、24時間営業のコンビニは、なぜこれほど好調なのか。それには3つの理由が考えられる

第1に、明確な市場戦略の位置づけによるところが大きい。なんでもそろったデパートや低価格が売りの倉庫型スーパー、飲食・娯楽の分野も手がけるショッピングセンターと異なり、コンビニは「消費者に便利な暮らしのサービスを提供する」ことをシンプルで長期的な戦略的位置づけとして堅持している。30〜50平方メートルほどの小さな空間ながら、コンビニが提供する商品数は3000点を超える。飲料、ホットスナック、冷凍食品から洗面用具まで、暮らしに必要な商品は何でもそろっている。提供するサービスは商品の販売にとどまらず、各種料金支払い、コピー、各種チケット購入から宅配便サービス、預金の引き出しまで、生活のあらゆる場面をほぼ網羅する。このようなワンストップ式サービスを提供するコンビニは、今の日本社会になくてはならないものになった。

第2に、最も先進的な技術・管理モデルを集積していることがある。日本のコンビニは先端技術の導入を非常に重視し、決済システムと情報ネットワークを絶えず更新していることが、経営における重要な特徴だ。コンビニと現代的管理モデルとは影と形のような不離の関係にあり、管理システムではPDCAサイクル(計画、実施、監視、改善のサイクル)とトヨタ自動車式の効率的生産方式の影響が随所にみられる。たとえば食品の品質確保のため、セブンイレブンでは専用工場と差異化に基づく物流システムを構築し、日本国内の食品工場181カ所のうち167カ所を差異化システムの専用にし、配送センター150カ所が差異化に基づく物流供給を担当し、商品ごとに異なる温度コントロール標準と頻度で商品を配送する。一日3回の配送で運ばれる商品には、20度に保たれた弁当類もあれば、5度をキープする牛乳類もある。

第3に、差異化戦略を通じて絶えず新しいバリューを創造していることがある。製品のライフサイクルを絶えず短縮し、商品の種類をますます豊富にし、その中で独自ブランドを開発して差異化戦略の重要な手段としている。現在、日本のコンビニでは独自ブランド製品が半数近くを占める。また日本国内の5万5千店舗で巨大な情報ネットワークを構築しており、各店舗は重要な情報モジュールとなって、消費情報を絶えず収集しビッグデータを形成する。このデータに基づいて、コンビニは絶えず経営戦略を調整し、経営手段を最適化することが可能になる。

当然のことながら、日本のコンビニの発展は常に順風満帆というわけではない。ますます深刻化する高齢化が日本国内での拡張ペースを鈍化させており、海外進出でも同じくさまざまな課題に直面する。最近はセブンイレブンがインドネシアで全店を閉店する状況に追い込まれ、同国市場から撤退した。セブンイレブンの鈴木敏文・元最高経営責任者(CEO)が述べるように、「コンビニの仕事は人々の絶えず変化する心情を満足させることであり、これができなければ失敗する」のだ。(提供/人民網日本語版・編集KS)