終了10分以内で送れる"議事録"の作り方

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■「神戸製鋼所」メールにまとめて時間短縮

会社をあげて会議の時間短縮や開催数削減に取り組む神戸製鋼所。その議事録は一風変わっている。

「まず、参加者にメールで、時間割やゴールを記載した会議案内を送信。会議が始まったらそのメールに直接、会議内容を打ち込みます。そして会議終了後に再び参加者に送る。それをもって議事録とします」(神戸製鋼所 機械事業部門 企画管理部 徳永優希さん)

50分の会議の間に要点をまとめ、誤字脱字をチェックしたら、会議終了後10分以内にメールを送る。もちろん徳永さんも最初からこんな早業ができたわけではない。

「わからない略語の意味を考えているうちに話題が移って時間内にまとめきれなかったこともあります。『すみません、あとで送らせてください』と言ったときは、みんなの視線が集中して恥ずかしかった」

いまではタイピングも上達。「早いね」とよく驚かれている。

▼プレゼンテーションクリエイター 前田鎌利さんが資料を判定

◎ピカピカOK資料

【good!】枠組みがあるので一目瞭然
メールの本文そのものが議事録でありながら、罫線で囲んだ「表」になっているので、各項目に対する内容が一目瞭然。このフォーマットは社内で共有され、Outlookのクイックパーツ機能で簡単に呼び出せるそう。
【good!】→、★など記号でメリハリをつけている
メールがそのまま議事録になるうえ、会議終了と同時に議事録を完成させるには、凝った装飾や罫線使いなどはできないはず。そんな制約のなかでも「→」や「★」を使う、話題を〈〉でくくるなど見やすくする工夫がされていてお見事。
【good!】赤字・青字の色分けが効果的
参加者に送った会議案内のメールに議事録を上書きしていくスタイルなので、そのままではわかりにくくなってしまいます。そこで「発言は青」「会議で決まったことは赤」というように文字を色分けし、読む人のストレスを軽減しているところが◎。

×あるあるNG資料

【bad!】「〜でした」「〜です」作文は読みづらい
会議で話し合ったこと、その場で出た意見、会議の結果決定したことがすべて「〜でした」「〜となります」「◯◯さんは〜してください」という文章で書かれている。一見、ていねいなように見えますが、これを読んで理解するのは一苦労。
【bad!】内容のふり返りが中心でアクションがわかりにくい
会議に出席した人たちは、話し合われた内容はもうわかっているのだから、会議で出た「宿題」が一番の関心事。ところがこの議事録では、肝心のアクションがまったく強調されておらず、まっさきに確認したいところが見つけにくいですね。

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<徳永さんの資料づくりのコツ>▼会議中もモニターで議事録作成をナマ中継
神戸製鋼所では会議中も議事録をモニターに映し、議事録がつくられていく様子をその場の全員が共有する。結論が出ないまま時間切れになったり、あとから「こんなこと言ってない」「この仕事をやることになったのは自分じゃない」など議論を蒸し返したりすることがなくなり、会議の効率がアップ。
▼事前に課題に関する資料を読み込む
「この会議では何について話し合うのか」「何が問題になっているのか」がわかっていないと出席していてもポイントがつかめず流れに取り残されてしまう。的を射た議事録を時間内に完成させるために、事前に関連する資料を読み、要点を整理したうえで会議に臨む。そうすることで、参加者意識も高まる。
▼会議室へマウスを持ち込みスピーディーに色指定
営業部時代は外回りをするのに荷物になるという理由で、ほとんどマウスを使わなかった徳永さん。現在の部署で議事録をつくることが増えてからは、会議室にノートパソコンとともにマウスを持ち込むように。発言は青、会議で決まったことは赤と、色を指定するには、やはりマウスのほうが早くできる。

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徳永優希
神戸製鋼所 機械事業部門 企画管理部。2012年入社。小型コンプレッサーの営業を3年経験したのち、現部署でリスク管理業務に従事。営業時代にくらべると、議事録をつくることが増えたという。
 
前田鎌利
監修プレゼンテーションクリエイター/書家。ソフトバンク在職中、孫正義氏の後継者育成機関の第1期生に選考され1位を獲得。孫氏のプレゼン資料づくりも数多く担当した。著書の『社内プレゼンの資料作成術』シリーズは11万部を超えるベストセラー。
 

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(ライター&エディター 長山 清子 編集=福田 彩 撮影=水野浩志)