自分の棺桶の横で、遺書を書く参加者たち(NTD Inspired)

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 OECD35ヵ国の中で最も自殺率が高いといわれる韓国。2005年に女優のイ・ウンジュさんが24歳の若さで命を絶ってから、多くの芸能人やタレントによる自殺が相次ぎ、韓国の若者たちにも波紋が広がった。自殺の風潮を断ち切るために、あるユニークな講習を行っているセンターがある。

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 ソウルにあるヒョウォン・ヒーリング・センター(Hyowon Healing Center)では、自分の死を疑似体験できる。最初に行うのは、自分の葬式で飾る写真を撮ること。次に、参加者たちは薄暗い部屋の中で白い死装束を身に付け、家族への遺書をしたためる。そして蓋を閉じた棺桶の中に10分間横たわり、これまでの人生を振り返りながらじっくりと自分の死をみつめる。最後に困難に直面しながらも人生を歩み続ける人たちのドキュメンタリー番組が流れ、主催者が励ましの言葉をかける。これらすべては、参加者たちに命の尊さを感じてもらうのがねらいだ。

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 センターの講師によると、参加者たちは棺桶から起き上がると気持ちが「不思議なくらいにリフレッシュ」し、抱えている悩みから「解放された」気分になるという。

 講習に参加したチョ・ヨンテさんはBBCの取材に応じ、「私はたくさんの過ちを犯してしまいました。仕事の時はもっと寛容になり、家族ともっと多くの時間を過ごせるようになりたい」と語った。

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 昨年10月のまでに講習を受けたのはおよそ15,000人。学校の成績に悩む生徒や、仕事のプレッシャーに追われる会社員、また孤独に耐える老人など参加者の年齢層は幅広い。

 センターの設立に関わったキム・キホ氏は、参加者の90%以上が死の疑似体験の後、悩みや不安が解消し、新しい人生観を得ていると話している。

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(文・郭丹丹)