空いているスペースや部屋を、トランクルームや会議室として有効活用するビジネスを展開している「エリアリンク」と「ティーケーピー(TKP)」。その儲けの構造を分析してみよう。

■トランクルーム最大手のエリアリンク

 不動産というよりは、“空きスペース活用ビジネス”と表現したほうがピッタリくる。エリアリンクとティーケーピー(TKP)の主要業務や従業員平均給与はどうなっているのだろうか?

 エリアリンク(8914)が主に手がけているのはトランクルームのレンタル、TKP(3479)は貸会議室の運営である。

 トランクルームは貸倉庫の小型版だ。自宅に収まり切れない収集品や各種書類・書籍、シーズンオフの衣類などを収容しておくため、レンタルでトランクルームを利用するケースが増えているようだ。引越しやリフォームにともなう一時的利用もあるという。郊外の幹線道路沿いの屋外型よりは明らかに家賃が高い、オフィス街の屋内設置型も目立ってきた。

 そのトランクルーム最大手のエリアリンクが扱う貸トランクルーム(コンテナ含む)は、5万3564室(14年12月期)、6万3325室(15年12月期)、7万651室(16年12月期)、7万5440室(17年6月期)と、年々増加での推移である。

 同社はトランクルームの運営を中心に、コンテナの設置やトランクルームの内部造作を受注し販売する事業を含めてストレージ事業としている。ストレージは保管や保存といった意味合いがある。

 そのストレージ事業の16年12月期売上高は139億400万円。1室平均で年間なら19万6798円、1日では539円に相当する売上を示していることになる。14年12月期と15年12月期は1室1日平均の売上高は400円台だったことから、1室から得る収入が上昇しているわけだが、利用料金が比較的高めに設定できるオフィス街での展開が増えているためだろう。トランクルームの受注販売事業も伸びているようだ。

 同社は主に不動産所有者から未活用の土地や建物などを借りてトランクルームを設置しており、不動産所有者には賃料を支払うことになる。16年12月期に原価に計上している賃借料は65億4721万円。単純に7万651室で計算すれば、1日1室の支払いは254円弱ということになる。ごくごく大雑把にいえば、エリアリンクはトランクルーム1室で1日当たり285円(539円−254円)の粗利を得ていることになる。

■国内外で貸会議室を運営するTKP

 2003年に上場したエリアリンクに対して、TKPの上場は2017年3月だ。TKPは、不動産オーナーなどから借り受けた物件を貸会議室としてリニューアルして運営する。

 関東851室など国内1710室、ニューヨークやシンガホールなど海外42室、合計1752室で展開している貸会議室サービス事業の売上高は126億5900万円。1室当たりの年間売上高は722万円強。1室1日1万9795円に相当する。もちろん、提供する会議室によって料金は異なり、1日5万円以上の売上高がある会議室もあるようだ。

 TKPは、主に遊休不動産もしくは稼働率の低い不動産を借り受けてビジネスを推進しているように、貸会議室の調達単価の低廉化がビジネスの基本である。ただし、会議室併設型ビジネスホテルの運営の比重も高めており、主にアパホテルとのフランチャイズ契約による出店を推進。自前でホテル用地を取得した仙台市(宮城県)には、18年10月に305室を備えた「アパホテル TKP仙台駅北」をオープンする。投資予定額は約45億円だ。

ビジネスリサーチ・ジャパン[著]