『ナラタージュ』完成披露試写会に出席した有村架純

 嵐の松本潤(33)が23日、都内で映画『ナラタージュ』(10月7日公開)の完成披露試写会に出席。会場外に用意されたレッドカーペット上を歩き、ファングリーディングをおこなった。試写会にはメガホンをとった行定勲監督と女優の有村架純(24)も出席。試写会前には舞台挨拶がおこなわれた。今作について、松本は「とても苦くて、濃密なラブストーリーが出来上がったと思います」と作品について語った。

 『ナラタージュ』は2006年に「この恋愛小説がすごい」第1位を獲得した島本理生氏の同名小説を『世界の中心で、愛を叫ぶ』などの作品で知られる行定監督が映画化。主演を松本が務め、ヒロインを有村が演じる。

 妻を持つ高校時代の演劇部顧問の葉山(松本)と再会した、泉(有村)との禁断の純愛物語。行定監督が構想に10年を掛けたという渾身の作品。

 試写会前には、会場外に設けられたレッドカーペット上にタキシード姿の松本と黒いドレス姿の有村、セットアップ姿の行定監督が登場。黄色い歓声の中、集まったファンとそれぞれが話す場面も。

 公開を前に試写会に臨む松本は「いよいよ、皆さんに観て頂けるタイミングになりました。とてもワクワクしています。たくさんの人に愛して頂く作品になったら良いなと思います」と期待を寄せた。

 松本に手を携われ、現れた有村は「本当に期待半分、不安半分だったのですが、何か残るものがあったらいいなと思います。よろしくお願いします」とその心情を語った。

ケーキを横に撮影に応じる有村架純

 構想に10年を掛けたという、行定監督は「撮影は去年の夏におこなったのですが、あっという間に1年が経ちまして、やっと観て頂ける機会になりました。僕にとっても10年間、粘りに粘ってやっと映画化した作品で、ここにいる松本潤くんと、有村架純ちゃんに出会うことで素晴らしい映画になったと思います。自信をもってお届けできる作品になったのでたくさんの方々に観て頂きたいです」と作品に自信を見せた。

 映画の試写前には松本らが登壇し、舞台挨拶をおこなった。有村は「1年前の夏、ナラタージュの世界の中にいたことを誇りに思っています。当時は23歳でしたが、大人の恋を演じることができたことは、きっと一生忘れられない出来事になると思います」と今作の演技が大きな挑戦となったことを明かした。

 行定監督は「12年前にお話を頂いていたのですが、少女から大人になっていくヒロインの心情や、謎の多い男の存在の不確かさを非常によく、エロスや死を感じさせる世界観で描いている小説で、映画化したいと思いました。なかなかキャストがはまらなくて、10年待って、2人に出会いました。非常にリスクのある役だと思うのですが、お二人には快く受けて頂いて」と映画の完成に至るまでの長い歳月を振り返った。

 今作が初の行定監督作品への出演となる松本は「行定監督の作品に出れるということが嬉しかったです。以前、プライベートで一度お会いした時に、いつか良い作品があったら出演して欲しい、とお話ししていて。あの約束覚えていてくれたんだなぁ、と思って」と2人の約束が実現したことに目を細めた。

 少女から大人の女性へと、禁断の恋愛を通して成長していくこれまでのイメージとは違う役どころに挑戦した有村は「とても難しい役だったので、緊張していました。現場に入ってからは肩の力は抜けたと思います」と撮影を振り返った。

 今作について、行定監督は「一番身近に感情が揺れ動くのは、恋愛だと思う。かつて日本映画でも成瀬巳喜男監督の作品のような、そういう恋愛映画は堂々と作っていたと思う。そういうものに近い作品がこの原作で出来るなと思って」と黒澤明監督が助監督を務めたこともある、戦前から戦後にかけて活躍した巨匠・成瀬監督を例に挙げ、10年間こだわった真意を明かした。

 富山でロケをおこなった今作。松本は「画のオリジナリティというか、富山じゃないと成立しなかったシーンがたくさんあると思います」とその意味の大きさを語った。

 有村も「富山の風景とこの作品の世界観がとてもマッチしていて。衣装にも少しノスタルジックな感じがあって」と松本に同調。

 今作の主題歌はRADWIMPSの野田洋次郎(Vo、Gt)が作詞・作曲を手掛け、女性シンガーのadiue(アデュ)が歌う「ナラタージュ」。楽曲について、松本は「観客の心を優しく包み込んでくれるような曲で、とても素敵な曲だと思います」とコメント。

 有村は「アデューさんの歌声が泉の想いを表してくれているようで、最後うるっときました」と自身の役の気持ちとリンクした楽曲に感動した様子。行定監督は、野田が3曲書いていたことを明かし、「最後に映画を観てこれだというこの曲が素晴らしくて。彼は天才なんでしょうね」と野田の才能に舌を巻いた。

 この日は、30日に、34歳の誕生日を迎える松本にスタッフからサプライズバースデーケーキのプレゼントが用意された。映画のタイトルになぞらえ、“ナラタージュン”ケーキが登場。

 松本は「まさか、タイトルと僕の名前でギャグができるなんてね。ご縁があって嬉しいです。ありがとうございます」と照れ笑いを浮かべた。そして「この映画がたくさんの方々に観て頂けるように、切に願っております」と映画のヒットを祈願した。

 有村は「34歳も素敵な年になりますように、願っております」と松本を祝福。行定監督からは「大人のかっこいい男だと思っています。正義感強すぎるほど強いので…かっこいい松潤でいてくれればと思います」とベタ褒めされた。

 公開に向け、有村は「愛する形というものは、それぞれあると思います。共感できる、できないということとは別に、観終わったあと、大切な人を思い出してくだされば嬉しいです」と呼びかけた。

 松本は「とても苦くて、濃密なラブストーリーが出来上がったと思っています。たくさんの人に長く愛される作品になればと思います。でも、堅苦しくなく、単純に楽しんで頂けたら」とその想いを述べた。【取材・撮影=松尾模糊】