23日、韓国・東亜日報は、韓国の消防当局が保有する大型消防ヘリコプターが山火事の現場でまともな働きができない状態にあると報じた。一部のヘリは、貯水タンクさえ備えていないという。資料写真。

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2017年8月23日、韓国・東亜日報は、韓国の消防当局が保有する大型消防ヘリコプターが山火事の現場でまともな働きができない状態にあると報じた。一部のヘリは、貯水タンクさえ備えていないという。

韓国消防庁によると、「中央119救助本部」は現在、大型消防ヘリ「トンビ1号・2号」を運用している。火災鎮圧と患者移送などが可能な多目的ヘリコプターだ。1号は2008年に、2号は16年に導入された。2号は、10年に釜山(プサン)の38階建てビルで起こった火災を機に、超高層ビル火災への備えとして配備された。

しかしこの2号、消防ヘリに必須のはずの貯水タンクと放水銃が未装備だ。消防庁は15年、2号本体の契約を行い貯水タンクと放水銃の購入を個別に進めたが、10分以内に装着可能という条件を満たす放水銃が市中になかったのだ。同庁はこれを無視して事業を進めたものの、監査で摘発され放水銃の導入は保留となってしまった。

さらにこの時、消防庁は放水銃だけでなく貯水タンクの予算まで返還するというミスを犯した。貯水タンクの導入は内部評価・監査院の監査ともに問題がなかったが、2号は今も貯水タンクがないまま運用されている。

実は1号の状況も似たようなものだ。1号は普段、主に救急患者搬送に投入されるため常時救急医療機器が設置された状態だ。これらの機器を取り除き貯水タンクを装着するには一定程度の時間が必要になる。

こうした状況のため、今年5月、江原道(カンウォンド)で発生した大規模な山火事現場に、トンビ1号・2号は投入されなかった。消防庁は「当時、島しょ部で発生した救急患者搬送のために火災現場に投入できなかった」と釈明したが、救急患者搬送より前に山林庁が消防ヘリ支援を要請していたことが分かっているという。

民間の航空専門家は、「救急患者搬送は中型ヘリでも十分だ。山火事の現場に大型ヘリを投入していないことが理解できない」と述べている。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「ちゃんと運用もできないのに、なぜ導入したんだ?」「やる気のない公務員のせいだ」「公務員は、国に莫大(ばくだい)な被害を与えても誰も処罰されない」「公務員の能力の低さは僕らの想像を超えている」など、行政と公務員への批判の声が多く寄せられた。

また、「不正の臭いがする」「限られた予算の中で多目的用途の機体を導入しようとする気持ちは十分理解できるけど、何か違う気がする」などとするコメントもみられた。(翻訳・編集/三田)