現地時間の18日午後、米国通商代表部のライトハイザー代表は声明を発表し、「米国は1974年制定の『通商法』301条を適用して、技術移転、知的財産権、革新の各分野における中国に対する貿易調査を正式に発動する」ことを明らかにした。

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現地時間の18日午後、米国通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は声明を発表し、「米国は1974年制定の『通商法』301条を適用して、技術移転、知的財産権、革新(イノベーション)の各分野における中国に対する貿易調査を正式に発動する」ことを明らかにした。新華社が伝えた。

トランプ大統領が大統領令に署名してから同調査がスタートするまで、約1週間がかかる。米国は今回の動きで何をしたいのか。米中経済貿易関係にどのような影響を与えるか。中国はどう対処すべきか。

▽何をしたいのか?

通商法301条による調査の制度は、その誕生の頃から強い一国主義の色彩を帯びており、他国の反対を受け続けてきた。米国は国際社会に対し、世界貿易機関(WHO)のルールに合致するやり方で同制度を執行することを約束した。

業界関係者の分析によると、「米国の国内政治要因がトランプ大統領にこのような行動を取らせた主な原因だ。トランプ大統領はこれによって『米国第一主義』の選挙公約を実現し、国内のムードを沈静化させ、いわゆる米中間の貿易不均衡問題を解決したい考えだ」という。

別の見方もある。「今回の動きは米国が調査が半年から1年かかることを緩衝材のように利用して、自国の交渉におけるコマを増やすことが狙い」というものだ。商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院地域経済協力研究センターの張建平センター長は、「米国は中国が市場参入をさらに開放し、たとえばサービス産業や付加価値の高い製造業などでさらに開放を進めることを願っている」と述べる。

中国が市場開放に向けてずっと積極的に努力を重ね、目立った成果を上げてきたことをみるべきだ。現在、米中は100日計画を実施し、今後1年間の経済協力の方向性を明確にした。さらに中国は外資系企業の投資・営業環境の改善に努力し、今や外資に対する投資制限措置は63項目を残すばかりになり、減少率は65%に達した。中国が知財権をめぐる行政面と司法面での保護の強化で努力し、成果を上げていることは周知の通りだ。

張センター長は、「米中貿易の不均衡問題は両国の経済構造によって決定づけられるものであり、長年にわたるグローバル分業の結果でもあり、米国は成果を焦ってはならず、一晩ですべての問題が解決すると期待してはならない。解決には一定のプロセスをたどらなければならない」との見方を示す。

対外経済貿易大学の王直教授は、「米中貿易の数字の上での不均衡は表面的なことに過ぎない。グローバル産業バリューチェーンという観点からみると、利益の圧倒的部分は最終的に米国へ流れているのであり、米国の中国貿易に対する非難には根拠がない」と指摘する。

▽影響はどれくらいか?

米国が通商301条調査を発動すると、どの方面に、どれくらいの影響があるだろうか。米中貿易戦争を引き起こすのではないか。

王教授は、「調査の対象になる具体的な製品や調査の手段はまだ確定していない。しかも半年から1年間もかかるのが通例であり、影響の範囲については詳細な評価を待たなければならない。だが確かだと思われることは、調査対象製品が米中貿易全体に占める割合は限定的で、さらに両国の経済面での深い依存度を踏まえると、貿易戦争が勃発する可能性は低いといえる」と話す。

業界関係者の指摘によると、「中国に対し『通商301条調査』を発動してもプラスの結果にはならず、貿易制裁措置が発動されれば、米国企業の利益にも損害が出る」という。国際金融協会(IIF)はこのほど発表した報告の中で、「米国と中国の間で貿易戦争が起これば、中国企業の利益に損害を与えるだけでなく、川上のサプライヤーや川下の業者にも影響が出る。米国の小売業者の利益にも影響が出る」との見方を示した。