20日、労働者1万人当たりのロボットの数を意味する「ロボット密度」で、韓国が世界1位を記録した。産業現場でのロボットの活用が増えれば生産性は向上するが、雇用の縮小と所得の不均衡はさらに深化するとみられている。資料写真。

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2017年8月20日、労働者1万人当たりのロボットの数を意味する「ロボット密度」で、韓国が世界1位を記録した。産業現場でのロボットの活用が増えれば生産性は向上するが、雇用の縮小と所得の不均衡はさらに深化するとみられている。韓国・ニュース1などが伝えた。

韓国銀行(中央銀行)は20日、報告書「グローバルロボット産業の現状と課題」で、「ロボットの活用により2020年までに雇用が(世界で)716万人消えるだろう」とし、「中・低所得層の雇用がロボットに置き換わる危険が最も高い」と指摘した。

ロボット密度(産業用ロボットの基準)をみると、韓国は531で、世界平均(69)を大きく上回っていることが分かった。韓国のロボット密度は、2005年の171から15年には531と3倍以上に急上昇しており、シンガポール(398)、日本(305)をも大きく上回っている。

ロボットの活用は生産性の向上に大きく寄与するものと期待されており、米コンサルティング会社・マッキンゼーは、今後50年間の主要20カ国の年間国内総生産の成長率2.9%の中で、自動化による生産性の向上寄与分が0.8〜1.4ポイントに達すると分析している。

一方で、ロボットの活用が増えると雇用が減り、所得の不均衡を招くとの懸念もある。昨年、世界経済フォーラムは、2015〜20年の間に716万人の雇用が減少する一方、新たに創出される雇用は202万人にとどまると予想。事務行政職の雇用が475万9000人減り、製造・生産の雇用160万9000人が消える見通しだ。

ロボット活用による自動化は、労働者の技術レベルに応じた賃金格差を広げながら、階層間の所得不均衡をさらに深化させる。経済協力開発機構(OECD)は、所得階層下位10%の低所得層の21%が自動化で職を失うと推定、低所得層ほど単純な繰り返し労働従事者が多く、ロボットへの置き換えが可能としている。

韓国銀行アジア太平洋経済チームのイ・ジェウォン課長は韓国の状況について、「さまざまなロボット関連産業分野で新たな雇用を創出し、労働の代替により消滅する雇用への副作用を最小化せねばならない」とし、「ロボット産業の発展に伴う生産性の向上、成長の実りが拡散できるよう、政府の所得再分配機能も拡充しなければならない」と述べた。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは2000に迫るコメントが寄せられており、この問題への関心の高さがうかがえる。コメント欄には「韓国が1番だったことに驚いた」「今度はロボットと競うことになるのか」「第4次産業(情報・医療・教育・サービス産業など知識集約産業)は雇用削減産業ということ?」「医者も人工知能に取って代わられると聞いた」など、悲観的な意見が多く並んだ。

また、「ロボットと人工知能によって消える雇用の数より、新しく生まれる雇用の数の方が少ないことが問題。姿を消した仕事に従事していた失業者が再就職するのは難しい」との指摘もあった。(翻訳・編集/三田)