川崎フロンターレに敗れた浦和レッズ【写真:Getty Images】

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 浦和レッズが圧倒された。

 23日に行われたAFCチャンピオンズリーグの準々決勝1stレグ、川崎フロンターレは浦和を序盤から圧倒して3-1で勝利。アウェイ・埼玉スタジアムでの2ndレグに向けて大きな優位を手にした。

 浦和はウォーミングアップ中にMF柏木陽介が足の付け根に痛みを訴え、急きょメンバーを変更。MF青木拓矢が先発でピッチに立った。さらに中盤をお馴染みの形とは違う3ボランチ気味にして、5-3-2に近い布陣でスタートした。

 システムを変更してまで慎重に臨んだのは「守備の時間が長くなるとは考えていた」だけでなく川崎Fの中央からの細かいパスワークによる攻撃を防ぐという狙いがあったと浦和の堀孝史監督は明かす。しかし、そういった狙いは裏目に出る。

 前半は終始圧倒され、ボール支配率は川崎Fの63.6%に対して浦和は36.4%。シュート数は9:2、総パス数でも440本に対して253本と大きな差をつけられた。本来ならボールを握って攻める浦和の形は失われ、反撃はカウンターのみ。5バック気味に引いた形から攻めに出られず、最前線のFW興梠慎三にはほとんどパスが渡らないまま1点先制を許して折り返した。

 浦和のDF槙野智章は「持たれることと押し込まれることはあくまで想定内ではありました」と語った上で、「奪ってからのカウンターのところで何度か危険な攻撃は仕掛けることはできましたけど、特に前半はそれがうまくいかなかった」と主導権を握られた展開を悔やんだ。

 3ボランチはどんなメンバー構成であろうと事前に準備してきた形だったが、柏木不在が響いたのかもしれない。堀監督は「青木もタフに守備もできますし、攻撃で出ていくこともできる。ただボールの配球ですとか、柏木の持っているものとは違う」とビルドアップ時の拙さを悔やんでいた。

 一方の川崎Fにとって、浦和の戦い方は自分たちにとって好都合だったようだ。DF谷口彰悟は「失点を怖がっているのかなという雰囲気があったので、逆に攻めちゃえばいけるんじゃないかなというところで先制点を取れました」と振り返る。

 不動の大黒柱・中村憲剛も「3ボランチみたいな感じになると空いているところはいっぱいある」と述べた上で「向こうもたぶんそこまで練られていないと思う。真ん中を消すんだったら外を攻めればいいし、外を埋めてきたら中は空くので、そういうのは俺だけじゃなくてみんなだいぶわかってきている」とチーム全体の意思統一を勝因に挙げる。

 谷口もこれに同調する。「(3ボランチに驚きは)そこまではなかったですね。中を固めているというのはわかったので、サイドをうまく揺さぶりながら、その中で最後に中を使ったり、ペナルティエリアにどう侵入していくかというところは、今日本当に意思疎通ができていた」と全員でつかんだ圧勝に手応えを感じていた。

 浦和は自分たちの持ち味を生かしていつも通り強気に攻めるのではなく、形を変えて受け身に振る舞ったことで、多彩な攻撃でチームの完成度を試合ごとに高めている川崎Fの術中にはまっていた。

(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉