1日100回以上も転んでしまう女児(画像は『SWNS TV 2017年8月18日公開 YouTube「Toddler that fell over 100 times a DAY due to a rare disorder」』のサムネイル)

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歩き始めてしばらく経った我が子がよく転ぶようになった時、「ひょっとしてウチの子はおっちょこちょいなのでは」と思ってしまう親もいるだろう。しかしそこには誤診されがちな病が存在することを米イリノイ州に住む両親が注意喚起している。『Mirror』『Inside Edition』など複数のメディアが伝えた。

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2015年4月、イリノイ州ローズモントに暮らすケニー・グロさん(37歳)とテリーザさん(30歳)の間に生まれたケイトちゃんは、1歳の誕生日前に歩くことを覚えた。以降、走ったりジャンプしたりするケイトちゃんは1日数回転ぶことがあったが、まだ歩き方を覚えたばかりだからという気持ちが両親にはあった。ところが1歳半となった昨年10月頃には、数歩踏み出すたびに転倒するようになった。今年1月になる頃には足元がおぼつかず、まっすぐ歩くことが困難になり、5分以内に10回、多い日には1日に100回以上も転ぶようになったという。またこの頃には、手を震わせたり目の動きがおかしくなったりする症状がみられたほか、寝るときによくぐずるようになった。

転ぶたびにテーブルの角で頭を打つなどの怪我をしてはならないからと、一時期のテリーザさんはケイトちゃんにソファでiPadを見せたりして、できるだけ歩かせないようにしていた。頻繁に転倒する娘をどこへ連れ出す気にもならなくなり、買い物に出かけなければならない時にはベビーカーに乗せたり抱っこしたりして外出していたそうだ。

2月にはケイトちゃんの症状は悪化し、立つことはおろかハイハイや座ることさえも転ばずにすることは不可能になってしまった。事態の深刻さから両親は救命救急センターへ駆け込んだ。テリーザさんとケニーさんはこれまでにも娘を病院へ連れて行っていたが、医師からは「耳の感染症かウイルスが原因で体のバランスを欠いているのかも知れない」と診断を受けただけだった。

2月5日、シカゴのルリー子供病院でCTやMRIなどをはじめとする様々な検査をしてもらったケイトちゃんは、100万人に1人の発症率と言われる非常に珍しい神経疾患「オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(Opsoclonus Myoclonus Syndrome、OMS)」であることが判明した。

OMSはがんなどの悪性腫瘍により様々な神経障害が引き起こされると考えられている自己免疫性神経筋疾患の一つで、体のバランスやその調整が困難になると言われている。ケイトちゃんの場合、何が原因でOMSを発症したのかということは不明だそうだ。幸いにもケイトちゃんの脳に腫瘍は見つからなかったが、医師は「深刻な病であることは事実」として化学療法やステロイド治療を試みた。

すると奇跡的にも治療のわずか数日後に、ケイトちゃんはおよそ4か月ぶりとなる最初の一歩を踏み出すことができたという。テリーザさんは「娘の症状がどれほど悪化するのかは想像もつかず、もう二度と歩けなくなるのではと不安でした。でも一歩踏み出すことができた娘を見て涙がこぼれました」と話している。

ケイトちゃんの病状が悪化した昨年10月に、テリーザさんは第2子となるJJ君を出産している。現在は仕事を辞め、子育てとケイトちゃんのフルタイムのケアをしているそうだ。

テリーザさんはケイトちゃんが3か月半の間、誤診をされ続けていたことを自身のFacebookでも投稿しており「風邪のような症状が長引いた時でも、OMSであるという可能性もあるのです」とこの病が誤診されやすいものであることを世間に注意喚起している。

ケイトちゃんは現在、治療のおかげで普通の2歳児と同じように歩いたり走ったりジャンプすることが再びできるようになった。しかしこの病気は症例が少なく、明らかになっていない部分も多い。再発を防ぐために今でも定期的に治療を続けているという。またケイトちゃんはリハビリのほか、言語の発達に少しだけ遅れがみられるためスピーチセラピーなども行っているとのことだ。テリーザさんは「ケイトはとても頑固で、根気強く、頑張り屋です。これからまだまだチャレンジが続きますが、温かく見守ってあげたいと思います」と語っている。

画像は『SWNS TV 2017年8月18日公開 YouTube「Toddler that fell over 100 times a DAY due to a rare disorder」』のサムネイル
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)