茂木敏充オフィシャルウェブサイトより

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 茂木敏充経済再生担当相兼人づくり革命担当大臣にもちあがっていた公職選挙法違反疑惑だが、本日、さらなる内部資料と証言が出てきた。

 そもそも、この問題は2週間前の「週刊新潮」(新潮社 8月9日発売号)で報じられたものだった。同誌記事では、茂木経済再生相が自身の選挙区である栃木5区の主に後援会幹部に対し、1部600円の「衆議院手帖」を、毎年3000部(180万円分に相当)も配布していたと指摘。しかも、後援会のメンバーによる「(後援会費は)ないです。正月なんかには(茂木)本人が"これ作ったから使ってください"という感じで手帖をくれます。お陰様で私は毎年もらってます」との証言をはじめ "後援会費を払っていない。手帖はもらっている"という同様の証言が多数掲載された。

 後援会費を払っていないとなれば、彼らは名前を貸しているだけに過ぎず、そうなれば一般の有権者と変わらない。そして、彼らが受け取った手帖は、600円で販売されているれっきとした「有価物」。選挙区内で有権者に有価物を配れば、それは公選法で禁じられている「寄附」にあたる。

 この報道に対し、茂木経済再生相は同誌の発売日にすぐさまコメントを公表。〈衆議院手帳は、茂木の名前や写真の入ったものではなく、党員や政党支部関係者らに政党の政治活動用資料として配布しており、記事にあるような不特定多数に配布した事実はありません〉と否定した。

 しかし、「週刊新潮」は本日発売号で続報を掲載。新たに「手帖の贈呈者リストと個別の配布数」が書き込まれた内部資料を入手したというのだ。さらに、茂木経済再生相が主張した〈党員や政党支部関係者らに政党の政治活動用資料として配布〉という点も、「手帖をもらった」という複数の当事者たちがこう証言している。

「後援会には名前を貸しているだけ。(中略)後援会費も自民党費だって払っていないし、どの党も支持していない」
「党員資格はないし党費も支払っていません」

▼疑惑報道潰しも画策!メディア幹部に「誤報になる」と恫喝連絡

 茂木事務所の関係者が「手帖の主な配布対象である後援会の役員とは、自民党員でも何でもない自治会長などがやっていることが多い」と話しているように、手帖を配布された人々は党員でもなければ後援会費も払っていない「非後援会員」という"不特定多数"ということになるだろう。そもそも、手帖を〈政治活動用資料〉と主張することも相当無理がある。

 ここで思い出すのが、自身の選挙区でうちわを無料配布し、同じように公選法が禁じる「寄附」行為ではないかと疑惑がもち上がり、結果、法相を辞任した松島みどり議員の例だろう。あのとき、松島法相はうちわを「うちわではない」「討議資料だ」と言い張ったが、その後、特捜部はうちわが有価物であり、公選法上の寄附にあたると認定している。しかも、松島法相のうちわの単価は1本当たり36〜45円で、制作費はトータルで約150万円。一方、茂木経済再生相が180万円相当を複数年にわたって配布していたとなれば、松島議員よりも悪質となる。

 さらに言えば、茂木経済再生相は「茂木の名前や写真の入ったものではない」というが、手帖を受け取った人は「秘書が名刺を携えて自宅まで持ってきた」と話している。他方、小野寺五典防衛相は、選挙区内で有権者に自分の名前が入った線香セット(計50数万円相当)を配ったことが発覚し公選法違反で書類送検、2000年にはこの問題で議員辞職に追い込まれている。

 過去の例から考えても、大臣辞職、議員辞職に相当すると思われる茂木経済再生相の公選法違反疑惑。しかし、今回の「週刊新潮」の記事では、もうひとつ気になる情報が明かされていた。それは、茂木経済再生相による「報道潰し」問題だ。

 記事によると、同誌の第一報の後、茂木経済再生相が「大手メディアの幹部」にこんな連絡をしていたというのだ。

「総務省のお墨付きがあるから、何の問題もない。だから新潮に乗っかると誤報になっちゃうよ」
 
 もしこれが事実であればなんとも姑息な話だが、実際に毎日新聞や地元・下野新聞、テレビ朝日などは茂木経済再生相の言い分ばかりを垂れ流していた、と「週刊新潮」は指摘している。

 公選法違反疑惑は無論、報道を潰そうとメディアに直接接触する人物が「人づくり改革」を謳うとは笑うに笑えない。だが、茂木経済再生相に対しては、別のかたちでも"大臣失格"の声があがっている。

▼秘書に「おい、デブ」、便所で土下座強要...豊田議員"ハゲー"に匹敵するパワハラ体質

 その最たるものが、茂木氏の「パワハラ」体質だ。

 本サイトでも、茂木氏の記者に対するブランド自慢やワイン自慢、さらには男性器名を女性記者に言わせようとしたというセクハラ疑惑を紹介したことがあるが、茂木氏には以前より「人望がない」「下の者に対する態度がきつい」という評判がたびたび報じられてきた。実際、無名の当選2回新人議員時代の段階から「約5年で秘書が38人も辞めた」と週刊誌に書かれたほどだ。

 今回の「週刊新潮」でも、そうしたパワハラ疑惑にもふれており、茂木氏は秘書に対して「おい、デブこの野郎」などと普通に言うこと、そのため離職者が多く「一時はハローワークで求人を出していたくらい」という証言が出ている。

 また、「週刊文春」(文藝春秋)8月17日・24日夏の特大号でも、茂木氏の元秘書が「ある秘書は、会合で人の動員がうまくできなかったことで怒りを買い、便所で土下座をさせられたことがあるそうです」と証言。しかも、〈これまでにやめた秘書は八十人以上〉と同誌は記載している。音声がないだけで、豊田真由子議員の「このハゲー!」問題と同じありさまで、まさに、「人づくり」ならぬ「人潰し」大臣というべきだろう。

 しかも、2015年には、茂木氏の「懐刀」といわれる秘書が、民間業者から接待を受けて香港旅行に出かけた疑惑を「週刊文春」が報道。この秘書は接待を受けた相手に「融資を受けたいのであれば、日本政策金融公庫に口利きしてあげる」と言い、実際に700万円の融資を受けたという。さらに、秘書にお礼として50万円を渡したというのだ。

 これが事実であれば議員秘書あっせん利得罪に当たる上、茂木氏の監督責任が問われるが、当時の取材に対し、茂木氏は「私はわからない」「少なくとも私については言われていることはないんでしょう」などと無責任な回答を寄せている。

 今回の公選法違反疑惑も、茂木経済再生相はこのようにいい加減な対応で逃げるつもりかもしれないが、今後、パワハラで離職した元秘書からの爆弾が飛び出す可能性もある。さらなるメディアの追及が必要だろう。
(編集部)