タレントの松居一代さんの衝撃的な告発が世間をにぎわせてから、しばらくたちました。あれから今井絵理子さんや斉藤由貴さんの不倫疑惑報道などが次々と起こり、あれだけインパクトのあった松居さんのニュースもトーンダウンしたように思います。

実際、先日のニュースでは、松居さんは夫である俳優の船越英一郎さんからの離婚調停申立書についてまだ受け取っていないとしたものの、映像での夫の告発については「終止符を打った」としていました。今後、松居さんと船越さんが法廷闘争に発展するかどうか、注目が集まるところです。

以前から、一般的な夫婦の場合でも熟年離婚が増えている傾向はありました。松居さんと船越さんのケースから見てもわかるとおり、熟年離婚で問題になるのは「お金」と「愛」です。とくに目立つのはお金の問題。つまり、夫の退職金をめぐるトラブルが原因で夫婦問題がこじれることが多いのです。

退職金が理由で離婚話が出た夫婦の相談を聞いてみると、その多くが「退職金の使い方について、夫と妻に考え方の違いがあること」だったりします。

たとえば、妻は夫の退職金をどう管理しようかと計画を立てているにもかかわらず、夫は退職金をもらう前から自分ひとりで使い道を考えていることがあります。「今の自宅を売って田舎暮らしをはじめる」「別荘やログハウスを建てる」「外車を買う」「お墓を買う」「自分の実家に送金する」「妻に内緒でつくった借金の返済にあてる」というように、自分ひとりで使い道を決めて実行してしまった場合、あてにしていた退職金を手にすることができなかった妻が怒るのは当然のことと言えるでしょう。「これまでずっとガマンをしてきたのに、退職金まで自分勝手に使われるのは、もう勘弁ならない!」と離婚に発展するケースも少なくありません。

これは、夫側に男女平等の意識が欠けていることも原因のひとつです。「長年、会社員として頑張って稼いだのは自分。だから退職金だって自分のもののはずだ」と思い込んでいるのです。一方、妻のほうは「家のことや子どものことは全部私がやってきた。夫が仕事に専念できたのは、やりたいこともガマンして犠牲になってきた私のおかげに違いない」と考えている場合、夫と妻の間で大きな溝ができていることに気づくのです。

退職金がきっかけで夫婦間にトラブルが生じるのを避けるための方法としては、2つあげられます。

ひとつは、退職金をもらった夫は「長い間、ありがとう」という感謝の気持ちを込めて、退職金の半額のお金を妻の口座に入れることです。すぐに使うことはしなくても、実際に目に見える形でお金があることがわかるだけでも妻は安心します。

もうひとつは、夫が退職する1年以上前から夫婦で退職金の使い道についてしっかりと話し合うことです。突然、どちらかが一方的に決断するのではなく、あれこれ提案をしてみた後、二人が納得した選択をするとスムーズに折り合えるようになるからです。

勘定よりも感情を優先することで、退職金が原因で離婚問題に発展する危機は回避できます。