22日に19試合が行われたイングランドのカラバオ杯2回戦で、多くのチームが主力選手を入れ替えて試合に臨んだことが物議をかもしているようだ。英『BBC』が「大会の価値を落とすかのようなトレンドだ」と報じている。

 イングランドの1〜4部クラブで行われる同大会は2回戦から、欧州カップ戦に参加していないプレミアリーグのクラブが登場した。ミッドウィーク開催による過密日程の影響か、どのクラブも直近のリーグ戦から大幅に選手を入れ替えており、変更された選手は19試合で計274人(1チーム平均7.2人)に達している。

 もっとも入れ替えが多かった例では、昇格組のブライトンが11人全員を変更し、4部相当のバーネットと対戦。他にも下部の5クラブが“総入れ替え”に踏み切った。日本人所属クラブではレスター・シティが8人を入れ替え、リーグ戦で2試合連続ゴール中のFW岡崎慎司もベンチ入りしたが、出番はなかった。

 このような傾向に対し、元エバートンのレオン・オスマン氏は同局のラジオ中継で「もし監督が“最強チーム”をそろえないと分かっていたら、ファンは観戦したくない」と批判。控え選手を中心に臨むことで、観客動員数の減少にもつながると主張している。

 イングランドではプレミアリーグにおいて「最強チーム規定」と呼ばれる決まりがあり、過去にはリーグ戦にサブメンバー中心で臨んだウォルバーハンプトンやブラックプールが制裁金を下された。一方、カップ戦ではそのような規定がないため、このような議論が高まりを見せているようだ。

 そんな中、プレミアリーグのWBAを率いるトニー・ピューリス監督は2回戦で、他のチームより少ない4人だけを入れ替えて、4部相当のアクリントン・スタンリー戦に臨んだ。指揮官は「この大会には真剣に臨んでいる。ウェンブリーに辿り着くためのチャンスをくれるからね」と話し、ベストメンバーを多く起用することで、リーグ戦にはない決勝の舞台に望みを持っているようだ。

 記事では、この議論に対する有識者の意見も掲載。「主力メンバーが休む機会となる」「若手選手に出番を与えられる」といったスタメン変更“賛成派”が優勢の様子だが、「カップ戦優勝チームに欧州カップ戦の出場権を与えれば、どのクラブも真剣に臨むのではないか」という具体案も出ている。

 また「カップ戦の名称がいつも変わることのほうが問題だ」、「3回戦の組み合わせ抽選が中国で行われ、それも午前4時に始まるというのはどうだ?そのほうが大会の価値を下げるのではないか」という意見も。冠スポンサーが変わったことにより、アジア市場を意識したカップ戦のあり方にも批判意見があるようだ。

 ちなみに日本では、リーグ戦とJリーグ杯(現ルヴァン杯)ともに「その時点における最強のチームをもって試合に臨まなければならない」という「ベストメンバー規定」があり、過去にはヴィッセル神戸やサンフレッチェ広島に1000万円の制裁金が科された例もある。

 当初は全てのカテゴリーで「当該試合直前のリーグ戦5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6名以上」先発させなければならないという規定だったが、2014年からは変更され、J2以下のリーグ戦だけがこの基準を採用している。

 J1リーグ戦とJリーグ杯はそれ以降、規制が緩和傾向にあり、「プロA契約選手または外国籍選手を合計6名以上」先発させるという基準となっている。さらに、今季のルヴァン杯では21歳以下の選手を先発起用させる“U-21枠”が創設され、若手に実戦機会を積ませる試みも始まった。

 この規定に違反すると2000万円以下の制裁金のほか、勝ち点や出場権をはく奪される可能性がある。また、チームスタッフがベストメンバーで臨まない疑いのある発言をした場合にも制裁の対象になると明記されている。


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