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 この夏も筆者は多くの怪談本、妖怪本、幽霊本をかかえ大騒ぎである。そして、同時に思うのが、怪談・奇談というものは人の数だけ無数にあるという事である。つまり、人の人生と同じだけ奇妙な物語も存在するわけであり、人の生涯そのものが怪談という図式も成り立つ。この一年で聞いた最新版の千葉の怪談をお届けしたい。

 これは船橋にお住まいのあるご老人から聞いた話である。船橋市内某所にある家では何故か、女が早死にするという。原因はよくわからない。事故であったり、或いは病気であったり理由は様々である。兎に角、女性が死ぬのだ。この奇妙な因縁に、その老人はこのような因縁話を付け加えた。昭和初期の事、気のよい真面目な青年がいた。その青年は一生懸命、農業に精を出したのだけどいつまでたっても貧乏から抜け出せなかった。そんな青年にも、好きな女性がいた。青年はいつか女性を嫁に迎える為に懸命に働いた。純情な青年の態度は次第に村人の知るところとなり、青年と女性の仲は地域公認のようなものになっていった。

 ある時、村はずれにある立ち飲み屋で青年がお酒を仲間と楽しく呑んでいた。そこに現れたのが村の嫌われ者のじいさまであった。じいさまは既に酒に酔っており、青年と仲間たちにからみはじめた。おとなしい青年は最初は我慢していたものの、あまりにしつこくじいさまがからむので、ついに怒りを爆発させ、いきなり飲み屋を飛び出した。一同が驚いていると若者は、農機具を手に戻ってくるとじいさまを追いかけた。じいさまは逃げ回ったものの、ついに若者に農機具でつき殺されてしまった。そのじいさまが絶命した場所が、女性の早死する家の前だという。つまり、女性がらみのトラブルで殺されたじいさまの怨念が女性に祟っているらしい。無関係にお宅に祟るのがどうにも解せないが、理不尽な怨霊、言いがかりの怨念も中にはあるかもしれない。

監修:山口敏太郎事務所