【1姫2虎3ダンプ・姫は本当に怖いか?】データで見る女性ドライバーの実態

写真拡大

■「1姫2虎3ダンプ(イチ ヒメ、ニ トラ、サン ダンプ)」

 女性の運転に関して、これまでも色々言われてきたようだ。「1姫2虎3ダンプ(イチ ヒメ、ニ トラ、サン ダンプ)」とは、半世紀ほど前、日本にも本格的自動車普及の時代がやってきて、女性が免許証を取るようになってきていた頃の、現在では大きな声では言えない、言わば「裏標語」だ。

【こちらも】自動運転技術に対する「期待」は交通事故の減少や便利な移動手段の実現

 そのころ同時に高度成長の時代になり、建設工事がやたらと多くなっていた。新幹線工事、名神・東名高速道路など列島改造論につながる、開発の時代だ。そのためダンプカーの往来が激しく、粗暴な運転で事故に至ることも多くなっていた。余りの無謀さに、ダンプカーには背番号をナンバープレートのほかに大きく書き込むことが義務付けられ、その激しさを今に伝えている。

 そんな中、女性ドライバーの運転が問題であると苦情も多く出てきて、この標語が生まれた。つまり怖がられたダンプカーよりも「怖いのは女性の運転だ!」と言うのだ。そのころ女性のドライバーはまだ珍しく、女性であるだけで、運転していると、からかわれるようなことも起きていた。

 職業ドライバーから見ると、女性ドライバーは自家用車の運転が多く、「仕事しているときにドライブかよ!」といった「仕事中に、もたもたしやがって」とか「邪魔だ」という焦る気持ちや、「やっかみ」もあっての標語であろうか?しかし、確かに女性の運転は機敏でなく「強引で譲らない」と感じられて、「何をするかわからないので近づかない」などと言われてもいた。

 しかし、オリンピックでも男女別に競技する中で、自動車レースにはいまだに男女別がないように、圧倒的に自動車運転は男性が向いてるという推察もできる。本来は、年間5千人の死亡者を出す現状の事故率を下げることを考えるなら、若者や高齢者を年齢制限で除外するのと同様、性別に関する制限も検討すべきではないだろうか。しかし今となっては自動車に頼る社会の情勢から、そこまで安全対策は取れないため、AIによる自動運転を早急に実現すると言った方策が待たれる。犠牲者は既に数十万人に上る現実を直視すべきなのだ。

■「男女差別」でなく「男女差」を認識すべき事態

 日産は以前、「女性ドライバーの交通事故」という調査研究を行っている。

 この研究は、「走行距離当たりの事故件数(件/億km)」で比較しているため、男女の事故率を見るには的確なデータだ。走行距離当たりの事故率は女性が男性の3倍近くとなっている。男性にはプロドライバーが多く、走行距離が長く人数も多いので、事故件数は男性が多く、女性の事故件数が少ないため注目されないのであろう。

 男女同権を勘違いしてはいけない。力仕事や運動神経などでは男性が勝り、子育てや世話役など繊細さは女性が上回る。SEや研究、芸術などは差があるとは認識されていない。もちろん個人差はあるが平均しての話だ。「向き、不向き」を「差別」と論じるのは大いに間違いで、男女は助け合うのでちょうどよいのだ。

 車の運転を、社会の中で男女平等に免許を与えるには、もっと練習時間を女性が必要としているのではないだろうか。高齢者にテストや講習を義務付けるように、女性にも必要なのかもしれない。これまでの社会の自動車に関する制度が甘すぎたと理解するべきであろう。それは年間かつては1万人を超えた時期もあり、現在での5千人ほどの「事故の犠牲者」に向き合って、襟を正すべきなのだ。

 逆に私はかつて子育ての最中に、「男は子育ての訓練を受けたい」と思ったのだが現役の企業家では無理だった。親父が寝たきりになりそうになったので「介護」のセミナーを受けていたら、その最中に親父は最後の発作を起こして、そのまま他界してしまった。介護には力がある男が必要だが、女性の気遣いにはかなわなかった。姉は、入院して死の床にいた親父の足の爪を切ってやっていたが「まだ、のびているから」と、いとおしむ仕草は女性特有のものだと感じさせた。

 各年代を通して、女性の事故率は男性の高齢者以上であることが気にかかる。70歳になろうとする私でも、免許返上を考えているのだが、女性の30〜40歳代より男性70歳の事故率が低いのは驚きだ。この研究のデータは1996年当時のものだが、男女差については、それほど変わるまい。

 「日産の調査研究から」「女性ドライバーの交通事故」の統計データを見ると、出会頭、信号無視、安全不確認など、まるで高齢者の事故原因と同じであるようだ。確かに年を取ると周囲に対する注意が足らなくなるが、女性は若い時からのようだ。データが半世紀前からの実感を裏付けている。

■高齢女性ドライバーの急増

 ますます女性の免許取得が進む中で、女性高齢ドライバーが増えている。高齢運転者対策の中で、特に女性高齢者対策が必要になってくるだろう。免許取得者の中で絶対数が少ないからと言って油断は禁物だ。これは「男女差別」の問題ではなく、命のかかった先天的能力の「向き、不向き」の問題なのだ。

参考: 年40万人ずつ増える女性高齢者ドライバーにどう対処するか?(DIAMOND online)

 本来は世界中で運転免許証の取得試験を厳格にしておくべきだったのであろう。日本でも年間1万人を超える死亡者が出ていて、減ってきたとはいえ今でも5千人近くの人が亡くなる現実を踏まえると、ことは本当は深刻だ。余りにも慣れ過ぎてしまっているのだ。

参考: 女性ドライバーの事故が増加中! 車選びも女性目線が大切?(SUUMOジャーナル)

 日産自動車は、女性の特質に合わせて車造りを進めているようだ。上記の記事の中から一部抜粋引用。"「女性ドライバーの約4人に1人が、『車庫入れでハンドルがどちらに切れているか分からなくなる』といいます。そのため、マーチでは『タイヤアングルインジケータ』という、どちらに・どれくらい切れているかを表示するメーターがついています。また、軽やコンパクト車ではパワーステアリングが電気式のため、低速度では非常に軽く、高速ではどっしりとした安定感を味わうことができます。ちなみに、これは日本ばかりでなく街中が狭いブラジルやインドネシアでも大評判なんですよ」"

 「1姫2虎3ダンプ(イチ ヒメ、ニ トラ、サン ダンプ)」は本当だったようだ。運転はAIに任せるのが良いのだろう。