離婚後、旧姓に「戻さないこと」3つのメリット!

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30代に差し掛かると、ポストには結婚式の招待状が毎月のように届く。定期購読をしているわけではない。叫ばれ続ける晩婚化・少子化などフェイク・ニュースなのではないか。しかし事実、世間での婚姻件数は減少し、そしてまた、離婚率は年々増加の一途をたどっているという。

女性も男性も双方に、大変な決意をもって離婚を選択したであろう。しかし大半の女性たちにとって離婚とは、届けを出して「ハイ、終了」とならないのが現実だ。彼女たちは離婚届を出す際に今後の生活に関わる大きな選択に迫られるのだ。「苗字をどうすべきか」問題である。「教えて!goo」には「離婚後、旧姓に戻るべきか」、「離婚しても旧姓に戻さないことについて」などと、離婚後もしくは離婚予定の女性から質問が相次いで寄せられている。

離婚どころか結婚すらも縁遠い世界に身を置く筆者にとって、離婚をするということは自然と旧姓に戻すものと思っていたのだが。子どものために…という理由だけではなく、あえて旧姓に戻さないことのメリットとは、一体どのようなものなのだろうか。

All About「離婚」ガイドの岡野あつこさんにお話を伺うと、働く女性たちにとって、なんだかポジティブな点が多そうだ。

■メリット1 バレない

「離婚を知られない、というのはすごくメリット」

岡野さんは一番に言い切った。「そのままでいること」は、周囲に気を遣わせることなく人間関係を円滑にやりすごせるのだという。確かに、旧姓に戻さず現状の苗字で通していけば、離婚したことを周囲に知られることはない。会社での取引先や習い事上の知り合いなど、わざわざ離婚を報告する義理もない間柄の人だってたくさんいる。

「私事ですが、このたび離婚を致しまして、旧姓に戻りました」云々を、膨大な業務メールのたびに書き付ける。そんな面倒な作業、誰だってやりたくはない。仕事上の混乱をきたすことなく、いままで通りに対応できる、かつ世間体を保たれるというのは、働く女性にとって非常にストレスフリーな状態であることは間違いない。

■メリット2 書類手続きに煩わされない

「結婚は紙切れ一枚でできる。離婚となるとその何倍もの紙切れが必要なんだ」

昔、筆者の友人が肩を落とし漏らした言葉を思い出す。

戸籍や住民票をはじめ、保険証に運転免許証、銀行口座にパスポート、光熱費関連の契約書から勤務先への届けなどなど、旧姓に戻す際には様々な手続きが入り用だ。その一々に手続きが必要かと想像するだけで辟易する。

「離婚するのは大体みな初めての経験なので、手続きの段取りがわからず時間がかかってしまう」「午前中だけで終わらせようと半休を取って行っても一日では終わらない」(岡野さん)

変更手続きに必要な書類も把握できず、結局二度も三度も足を運ばなければならなくなってしまう事態になりかねないという。また、役所や大方の手続き機関の営業日は、平日だ。書類手続きというものは大概膨大な労力と時間を費やすもので、好きだと公言する人に出会ったことはない。前もって役所に電話をかけ、必要書類を揃えておくなどの段取りを整えたとしても、それらを揃えるだけで時間も体力も持って行かれる。働く女性にとって、時間を奪われるということの何とストレスなことか。結婚時の苗字のままでいれば、そんな作業に煩わされることは、まずない。

■メリット3 再婚の際の二度手間が省ける

別れがあれば、また新たな出会いもある。

一昔前ほど離婚・再婚に抵抗のなくなってきた時代だという。離婚率が上がる一方、再婚の道を選ぶ女性もまた、増えているのだとか。再婚すれば、また苗字は変わる。せっかく煩雑な手続きをくぐりぬけ、やっとの思いで旧姓に戻したとしても、再婚すればその労力は水の泡だ。

「旧姓に戻さずにいれば、再婚する際の手続きのみになるので、会社側にも二度手間をかけることがない。もし子供がいたとしても、何度も苗字が変わり混乱させてしまうことを避けられる」(岡野さん)

筆者の友人にも、離婚再婚を繰り返す女性がいる。確かに、いちいち旧姓に戻していると周囲も混乱してしまうかもしれない。離婚後に再婚の予定がある人は、戻さずにしばらくを過ごしておくという選択肢だってあるのだ。

■「旧姓に『戻す』というのは、断捨離のようなもの」

岡野さんの名言が飛び出した。

確かに。気持ちを一新させるという心理的要素を除けば、旧姓に戻すことの実利的メリットはそれほどないのかもしれない。

もしも旧姓に戻すことを選んだ場合でも、「いっぺんにやろうとしないこと」(岡野さん)。

すべての手続きを一気にやらなければならないわけではない。銀行口座や会社での手続きなどは後回しにし、役所での手続きをひとつふたつ先に済ませるなど、優先順位をつけてこなしていけば、要領も得てくるのでスムーズに進むという。

女性の社会進出が声高に叫ばれる昨今、多くの女性が仕事を抱え、人間関係や時間に追われている。離婚を選択し、せっかくの手に入れたフリーな時間を苗字変更の手続きばかりに追われてしまうのは少しかなしい。

今回岡野さんが挙げてくれた「旧姓に戻さずにいること」の3つのメリットは、働く女性たちにとって一考の余地ある大きな選択肢の一つに思われる。

●専門家プロフィール:All About離婚ガイド 岡野あつこ
NPO法人日本家族問題相談連盟理事長。1991年より3万件以上の夫婦の離婚問題解決に携わる。自身が校長を務める離婚カウンセラー養成講座(通学、通信)にて後進の育成にも力を入れている。「幸せな結婚がしたいなら年収350万円の男を育てなさい」(牧野出版)など著書多数。

(オダギリ)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)