舞台「煉獄に笑う」に出演する鈴木拡樹(写真右)と崎山つばさ(写真左)/撮影=広ミノル

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8月24日(木)より唐々煙による漫画を原作とした舞台「煉獄に笑う」の上演がスタート。2018年には実写映画化(3月21日〈水・祝〉公開)もされる「曇天に笑う」の300年前、戦国乱世の真っ只中を舞台に、300年に一度日ノ本最大の湖・琵琶湖に甦る“大蛇(おろち)”を巡る戦いが描かれる。主人公・石田佐吉を演じるのは、数々の舞台で人気を博す鈴木拡樹。大蛇の手がかりを求め、羽柴秀吉の命で訪れた曇神社の八代目当主・曇芭恋を崎山つばさ、芭恋の双子の妹・阿国を前島亜美が務める。ほか、小野健斗や納谷健、碕理人ら舞台を中心に活躍する実力派キャストが集結。

【写真を見る】舞台で濃い関係性を見せる鈴木&崎山/撮影=広ミノル

そんな本作について、主演を務める鈴木拡樹と崎山つばさに、作品への想いを語ってもらった。

■ 舞台を楽しみたい!

――映画化も控えている「曇天に笑う」の前日譚ということで、本作の「煉獄に笑う」の注目度も急上昇しています。そんな話題作に出演が決まったときの感想を教えてください。

鈴木「もともと作品のことは知っていました。過去に共演したことがある仲間が、『曇天に笑う』の舞台版(2015年)に出演していたこともあって、今回のお話をいただいたときはすぐに“あの作品のシリーズだ!”ってピンときたんです」

崎山「僕も『曇天に笑う』が注目されていることは知っていたので、『煉獄に笑う』への出演が決まったときは純粋にうれしかったです。そして、拡樹くんともまた共演できるのもうれしくて、今年の夏はうれしいことばっかりですね(笑)。もちろん、原作ファンの方が大勢いらっしゃるなかで演じるというのは、プレッシャーを感じることでもあるんですけど、それ以上に楽しんでいきたいと思っています!」

鈴木「そう、ファンが大勢いる人気作品なんだよね。僕も夢中になって読んじゃったし、もしもお会いできるなら、唐々煙先生とマニアックなお話ができたらなって思っています」

崎山「僕も質問攻めしたい!」

鈴木「いろいろ聞きまくって、面倒くさいなって思われちゃうかもね(笑)」

■ 演じていて心地いい

――演じる役柄についてはどういう印象を持ちましたか?

鈴木「僕が演じる石田佐吉は、後に石田三成と呼ばれるようになる男なんです。彼がどうして佐吉から三成と名乗るようになったのか…。歴史には諸説あると思いますし、原作で描かれているそのエピソードはやはりフィクションだとは思うんですけど、それでも僕にとってはこれが真実だといいなと思いますね」

――ご自身と佐吉との共通点はありますか?

鈴木「広い意味で“不器用”なところは似てるかなって思うんですが、僕の場合は手先が不器用なだけで(笑)。佐吉は生き様自体が不器用なんですよね。殿(羽柴秀吉)に向かって『それは違います!』とかストレートに言ってしまうなんて、あの時代じゃ考えられませんよね」

崎山「普通、打ち首だよね」

鈴木「そう。もしかしたら、だからこそ石田三成は後世にも知られる存在になったのかもしれないけどね」

崎山「でも拡樹くんも、やりたいことや理想を絶対に曲げない人っていう印象があるよ。芯があるんだよね。そこは本当に尊敬できるし、すごくまっすぐなところは佐吉に似ているなって感じる」

鈴木「自分でもそこは心がけているつもりなんだけど、割りと新しい意見も取り入れていくタイプで。だけど、佐吉は確固たるものを持っていて、どうしても曲げられないんだよね。でも、なぜか周囲に振り回されちゃう。そこは演じていて心地いい」

――崎山さんは演じる芭恋にどんな印象を持っていますか?

崎山「実は原作を知ったときから、芭恋を演じたいと思っていたんです。彼は使命を持っていて、そのために損をする立ち回りをする。本当は寂しさも隠し持っているのに、それを一切感じさせずに振る舞う。だけど、佐吉と出会って少しずつ人間らしさが出てくるんです。そのキャラクター像がすごく魅力的で、いたずらを仕掛けちゃうようなところとか、双子同士の掛け合いの面白さとか、すごくやりがいのある人物だと思っています」

鈴木「芭恋は色気のある人物として描かれているけど、つばさくんも色気を持ってるよね」

崎山「えっ、うれしい!」

鈴木「つばさくんって年齢の割に落ち着いた雰囲気があるんだよ。そこが色気につながっているんだと思う。だけど、急にボケたりすることもあって。そういう部分も含めて芭恋っぽいなって思うよ」

■ 細かく聞くタイプ

――佐吉と芭恋の関係性は非常に濃いものですが、役作りをするうえで話し合ったことはありますか?

鈴木「役者によって、細かく打ち合わせをしたいタイプとその場の流れに任せるタイプにわかれるよね」

崎山「僕はどちらかというと細かく聞きたいタイプかも」

鈴木「だと思った! (双子役を演じる前島)亜美ちゃんとのやり取りを見ててもそう感じる」

崎山「何か決め事を作るというわけではなくて、空気を共有しておきたいんだよね」

鈴木「なるほど。特に亜美ちゃんとは双子役だもんね」

――やはり双子を演じるのは難しいですか?

崎山「本当に難しいです。一緒に歩きだしたり同じ呼吸でセリフを喋ったりするだけじゃなく、双子の空気感が出せたら良いんだけどなって思いながら演じてますが……」

鈴木「演出家の西田大輔さんは雰囲気作りが上手で、場をすごく温かくしてくださる。役者のモチベーションをあげてくださるというか。そんななかでたまたまふたりの動きが重なったりすると、微笑ましくなるよ(笑)」

崎山「あんまりキメすぎてもダメなんだけどね(苦笑)」

――そんな双子の輪に佐吉は入っていきますが、そこに難しさは?

鈴木「いや、ふたりに比べたら全然楽だと思います(笑)。その関係性のなかにポンと入っていくだけなので、僕は素直でいれば良いのかなって」

■ その日その場でしか見られないもの

――キャラクターの魅力も去ることながら、今回の舞台ならではの見どころは?

鈴木「場面転換によって舞台装置が結構動くんです。まずはそこを楽しんでもらいたいですね。唐々煙先生の原作って、読者の読むスピードをコントロールしていると思うんです。疾走感を大切にするシーンはザーッと駆け抜けるように描かれていて、大きな展開が待ち受けているところではいったんタメてドーンと見せるような。それを舞台ではパズルのように舞台装置を動かして表現しているんです」

崎山「そこが本当にすごいよね。誰かが喋っている間に後ろは舞台転換されていて」

鈴木「そう。視線を移した瞬間次の場面設定になっていて、まさにページをめくっているような感覚になる」

崎山「原作を読んでいるかのような舞台になるだろうね」

鈴木「ページをめくったときに味わう興奮を、実写で再現できたら最高だよね」

崎山「あと、ストーリーとして見てほしいところは、やっぱり出会いのシーンかな」

鈴木「そこは本当に楽しみ!」

崎山「言ってみれば、佐吉と双子が出会うシーンがこの作品の見どころですからね。そこはすごく大切にしたい」

鈴木「対面することによって物語が始まるもんね」

――ちなみに舞台で活躍されるお2人が思う、舞台の面白さとはなんでしょうか?

鈴木「舞台って目の前で繰り広げられるものなので、ステージ上だけでなく劇場全体でひとつの作品になっているんです。同じ世界観のなかに共存できるというか。それを体感できるのが魅力だと思いますね」

崎山「やっぱりライブ感は魅力で、僕らの演技もお客さんも反応で変わっていくんです。お客さんと一緒に作品を作っていく感覚。だから、一日一日違いますし、その場でしか見られない。そこが舞台の面白さなんだと思います」