ユニクロの新作ジーンズが切り開く「ビジネスファッション」の未来<服のコンサルタント森井良行>

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 突然ですが、最近、ビジネスファッションとカジュアルファッションの境界があいまいになってきた気がしませんか? 紳士服業界最大手の青山商事が運営する「THE SUIT COMPANY」では、スーツ・ジャケパンに加えジーンズ・Tシャツなど、週末服も並んでいます。

 その一方、主にカジュアルを扱うユニクロは、「ハタラクユニクロ」というフレーズとともに、ビジネスファッションで活用できる商品プロモーションを始めました。そして、この8月、オフィスカジュアルのジーンズコーディネート例を提案。

 今回ものべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行コンサルしてきた服のコンサルタントが、「ビジネスファッションとしてのジーンズ」について解説します。

◆ジーンズはビジネスファッションに許容されるのか?

 今年6月伊藤忠商事が「金曜日は『脱スーツ・デー』」という施策を発表! 朝型勤務・健康経営に続く働き方アクションとして、「くるぶしが見えるパンツ丈・ジーンズ」さえも許容する大胆なドレスコードを発表したのです。

 確かに、ビジネスファッションのカジュアル化は進行していますが、さすがにジーンズで働くのは難しいと考える方が多いはず。これまでジーンズが許容される業界といえば、比較的ドレスコードが緩いとされるIT・クリエイティブ系の一部の会社でした。

 ところが、総合商社の伊藤忠が許容することで大きなニュースになりました。プレスリリースによれば「いつもの習慣を脱ぐことで、仕事に新鮮で柔軟な発想を取り込めるかもしれない。自分の新たな可能性に気づくことだってできるかもしれない」という会社の想いが分かります。

 その一方、グループ会社にジーンズブランド「EDWIN」を有することから、「ジーンズ需要を高めるため率先して行った施策では?」という見方をする人もいるようです。いずれにせよ、現時点ではビジネスファッションとしてジーンズが急拡大することはないでしょうが、「会社によってドレスコードが変わる時代」に突入したと私は見ています。

◆ビジネスファッションも視野にいれるユニクロ

 環境省が提唱するスーパークールビズのガイドラインをご存知でしょうか? 施行された2011年の段階で、実はダメージがないジーンズは許容されていたのです。ただし、実際オフィスにジーンズで行く勇気があるビジネスマンは圧倒的に少ないでしょうが……。

 しかし、働き方改革法案が今秋の臨時国会で閣議決定されれば、伊藤忠商事のようなビジネスファッションのカジュアル化は加速することも考えられます。その流れを察知したわけではないかもしれませんが、ユニクロは2016年、秋ジーンズ・イノベーション・センターをLAに立ち上げました。そこで開発された第一弾ジーンズに、オフィスで使いやすいタイプが登場したのです。

◆そのストレッチはプレミアム級か!?

 2000年以降のセレブカジュアルブームと共に注目を集めたプレミアムジーンズ! どれもポリウレタンというストレッチ素材を混ぜることで、伸縮性を高めています。

 これまで、あらゆるジーンズブランドがストレッチジーンズを販売してきましたが、今回、ユニクロが開発したジーンズに想像以上の伸縮機能が備わっていたのです。

 その秘密は「素材の配合」にあったと私は見ています。通常2〜3%のポリウレタンに綿でつくられるストレッチジーンズですが、ユニクロの新作ジーンズは2%のポリウレタンに8%のポリエステルと綿で構成されていました。

⇒【写真】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=149141

 強度を高めるポリエステルが配合されたことで、驚異の伸縮性を発揮しながらもジョグジーンズのように膝が抜けやすいこともありません! つまり、オフィスで履くうえで十分な強度を保ちながらも、伸縮性があるため履き心地がラクなのです。

 もちろん、ジーンズなので、IT系・クリエイティブ系をはじめとした一部の会社で働く人しか取り入れることはできないでしょう。ただし、ジーンズがビジネスシーンに受け入れられる時代が近い将来くるかもしれません。

<文/森井良行>

【森井良行】
株式会社エレガントカジュアル代表取締役。’79年 千葉県出身。服のコンサルタント、「プロの目線でユニクロも好印象!」をモットーとして、のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行。公式サイト「エレカジ」にて、自身がリサーチしたアイテム情報など随時更新中。上場企業から「営業マンのための印象研修」を請け負っている。