いまから20年前のきょう、1997(平成9)年8月23日、名古屋国際会議場で第15回国際人工知能会議が開幕した(〜29日)。その関連行事として、8月25日から28日の4日間、同じ会場で「ロボカップ」の最初の世界大会が開催された。

 ロボカップとは、人工知能とロボット工学の融合・発展のため、自律移動ロボットによるサッカーをテーマとして日本の研究者らが提唱して始まった。第1回大会では、実際にロボットが対戦する「実機リーグ」、ソフトウェア上だけで展開される「シミュレーションリーグ」などが設けられ、このうち実機リーグは、フィールドが卓球台サイズの「小型リーグ」、その9倍の広さ(5×7メートル)の「中型リーグ」に分かれて競技が実施された。中型リーグでは、1チーム4台のロボットが、国際サッカー連盟(FIFA)が規定するフットサル4号球を用いて競い合う。第1回の同リーグの決勝では、大阪大学と南カリフォルニア大学が対戦したものの、ともに得点できず、引き分けで両大学が初代チャンピオンとなった。

 ロボカップは翌98年にはフランス・パリで開かれ、以後も毎年開催されている。その間、より人間に近い二足歩行型のロボットを用いる「ヒューマノイドリーグ」や、またサッカー以外にも、大規模災害を想定し、ロボットが戦略を競って救助活動を行なう「ロボカップレスキュー」部門などが新設された。

 今年7月には20年ぶりにロボカップが名古屋で開催された(7月27〜30日、ポートメッセなごや・武田テバオーシャンアリーナ)。中型リーグは、1チーム5台で行なわれ、そのフィールドも最大12×18メートルにまで拡大した。その決勝では、ウォーター(中国)とアイントホーフェン工科大学・テックユナイテッド(オランダ)が対戦、6-3でウォーターが優勝している。決勝戦のあと、エキシビジョンマッチとしてウォーターと人間のチームが対戦、3-1で人間が勝った。とはいえ、実際に観戦した筆者には、ロボットもかなり善戦していたように思われた。ロボカップでは大会開始時より「2050年にFIFAワールドカップ優勝チームに勝てる、自律型ロボットのチームをつくる」という目標が掲げられている。現在の技術開発の進展からすれば、それもけっして夢物語ではないだろう。


今年7月、名古屋で20年振りに開催 ©共同通信社

(近藤 正高)