日本、スペイン、イスラエル、ロシアなど、さまざまな国で働いてきた長谷川雅彬さん。そんな彼は、格闘家、投資ストラテジスト、アーティスト、作家など、マルチな才能を発揮する人物でもあります。

その著書『自分が信じていることを疑う勇気』では、自身のキャリアや経験を通してたどり着いた何事も「疑う」という思考について詳しくまとめられています。

あなたは、自分で自分の可能性を閉ざしていませんか?

多角的な目線を持ってビジネスやプライベートに取り組めば、また新たなチャンスが見えてくるかもしれません。

「できない」を疑う

何かに取り組む際、色々な方法を試しても「自分の無限の可能性」を信じられなければ、あなたの想像の範囲内でしか物事は進みません。例えば口で「問題解決したい」と言っていても、本心では「たぶん無理だろう」と考えている人には解決策が見えないのです。

自分の可能性を最大限に引き出してアイデア実現の確率を上げるためには、まず「未来が現在を作っている」ことを理解する必要があります。たとえ理解できなくても「私は未来を作っていけるのだ」と本気で信じる必要があります。

私たちが生きている世界は複雑を極めています。よって、何かが起きる可能性を探ることは決して簡単なことではありません。しかしそんな社会でも、ひとつだけ自分のコントロールが効く部分が存在します。それは「自分の考え方」です。書籍やネットなどで書かれている「成功法則」を実践する前に、その方法がきちんと機能するのか、自分が理解できるのかを事前に確認することは困難です。そんなことに時間をとられるくらいなら、自分の思考を変えるほうがいいとは思いませんか?

川の水質を改善したいのなら、川の下流でゴミ拾いをするよりも、上流の環境を整えたほうが全体に対するインパクトがあります。川の上流環境整備とは、私たちにとって「本当に欲しいと思うもの」を知ることであり、ネガティブ思考を変えるチャンスなのです。

多くの人は、自分のアイデアを実現する過程で、結果にこだわりすぎてしまいます。その結果にこだわっても、次が良くなるわけではありません。必要なのは継続して可能性を上げる方法を考えて働きかけることです。木で言うところの枝葉の部分にこだわるのではなく、幹や根の部分、つまり自分自身のマインドを変えるように努力する必要があります。

何に取り組んでも、あなたのマインドがパフォーマンスに多大な影響を与えることは間違いありません。知識やテクニックを学ぶよりも、「自分のマインドの使い方」を確立することこそ成功する方法なのです。

「悩み」を疑う

私の周りには「休みが欲しい」と嘆きながらも毎回休日出勤している人や、「悩みから解放されて気楽に生きたい」と言いながら次々に悩みを抱えている人がいます。

こうした人たちは、仕事や悩みがあることが常態化し、それが解消されると自ら新たなネガティブ要素を作り出してしまうのが特徴です。もちろん本人にはそのつもりがありません。なぜそうなってしまうのか? ちゃんとした理由があります。それは、望ましくても望ましくないにしても「ある状態」が長い間続くと、いつしかその様子に慣れてしまい、心地良くなってしまうからです。

具体的に言うと、引越しで新生活を始めたり、新しい職場に就く時など、人間は体験したことのない環境に立つと、たくさんのエネルギーを使います。脳はそのことを知っているので、「無駄なエネルギーは使わせまい」と現状維持に努めようとするのです。つまり、今の慣れた生活を続けようと、仕事を見つけて休日出勤したり、「幸せになりたい」と言いながら不幸な要因を自分で見つけ出しているのですね。

こうした悩みを持つ人には「自分で自分に許可を与える」ことをおすすめします。自分の好きなことをするのに第三者(家族、友人、上司など)の許可を得ようとしていませんか? 休みを取りたいと本気で思っているのであれば、自分自身に休みを与える許可を与えましょう。あなたは、休みを取るに値する人間です。他人がどう言おうと関係ありません。

好きなことをする許可を自分に与えなければ、自分の手で可能性の芽を摘んでいるのと同じです。いま、この瞬間から、好きなことを始めましょう。

「評価」を疑う

自分自身に「許可」を与えられない人たちの、根本的な原因は何でしょうか?

それは、周囲の人間の目を気にしてしまうことです。そこには「人に好かれたい」という気持ちが隠されています。生まれたばかりの赤ん坊は泣きわめこうがお漏らしをしようが無条件に許されますが、成長するに連れてそれがダメなことだと学びます。そうして成長していく過程で「自分がやりたいこと」と言うよりも「親が喜ぶこと」を基準に行動するようになります。これは大人になっても同じ。会社の上司や同僚が喜んだり、否定されない意見を自然に持つようになってしまうのです。

こうした考えを持ったまま仕事に取り組んでも、後悔するだけです。例えば、新しいアイデアをプレゼンすれば、賛否両論が出るのは当たり前。ここで他人の意向を重視しすぎると、ちょっとしたネガテイブな反応ですぐに自分の意見を変え、最終的に目指していたものとはかけ離れた結果になることは必至です。

それを回避するためには、どうすれば良いのでしょうか?

答えは簡単。非難してくる人のことを考えないようにすれば良いだけです。どれだけ説明しても賛同してくれない人は絶対にいます。それは、両親や友人など身近な人かもしれません。しかし、それらの人を説得するのは時間の無駄。他人から好かれようとする前に、まずは自分自身のことを好きになりましょう。

あなたが好きなことをやるためなら、自分のことを嫌いな人が多少いたって構わないではないですか。自分の可能性を広げたり新しいアイデアを実現するには、他人がどう思うかを気にしていてはチャンスを逃してしまいます。

役職、年収、Facebookの友達の数など、私たちはつい他者からの評価で頭がいっぱいになっています。もちろん、それらがまったく意味がないわけではありません。しかし、他人の評価を上げることばかりに尽力していれば、結局他人に振り回される人生で終わってしまうのです。

自分自身に許可を与えられないのならば、まずは自分で自分の価値を認めることから始めてください。

目的、価値、現実、悩みなど…自分が当たり前だと思っている概念や物事に「あえて」疑いを持ち、多角的な目線でビジネスやプライベートに取り組むことを推奨している一冊。「限界を決めているのは自分自身である」と考えさせられるだけではなく、目に見えないチャンスを掴むための思考術がまとめられています。