三鷹で「文房具」というアナログワールドの豊かさを知る #専門店のある街へ

写真拡大 (全7枚)

ひとつのジャンルに特化した魅力的なお店をピックアップする「#専門店のある街」。今回やってきたのは新宿駅からJR中央線で13分の三鷹駅。「三鷹の森ジブリ美術館」の最寄り駅でもありますが、三鷹に行くなら、ジブリ美術館だけで帰ってくるのはもったいない! そう言っても過言ではない専門店、駅から歩いて5分のところにある「山田文具店」をご紹介します。

商品数は約1,600点! いつまでも見ていたくなる文具店
2008年にオープンした山田文具店は、「文具を愛する人のための、雑貨セレクトショップ」。

ノートや筆記用具と言ったベーシックなものはもちろん、キャラクターがかわいいフエキノリや、ライオンのイラストが印象的なおどうぐばこ、女の子たちが夢中になって遊んだおはじき、さらには大人も魅了する海外の切手や和柄のハンカチなど、ここでは紹介しきれないぐらい、たくさんの品々が所狭しと並んでいます。

山田文具店で扱っている商品の数は、1,600点以上。それでもひとつひとつ手に取ってゆっくり見たくなるし、それと同時に自然と表情が緩み、心にあたたかさを感じます。そんな思いを抱くのは、商品すべてが店のコンセプト「どこか懐かしくて味のある、ストーリーを持つ文具たち」に沿って選ばれたものだからでしょう。

「商品は、性別や年齢を問わず、家族みんなで楽しめるものを選んでいます」と語るのは、山田文房具店スタッフの小坂さん。
大人にとっては昔を思い出すアイテムでも、その時代を知らない若い世代や子どもたちは、一周回って新しいものと捉えているのだとか。例えば、80年代にはやった、本物の猫が不良(あの時代は「ツッパリ」と呼んでいましたね)のコスプレをしている「なめねこ」のグッズも、当時青春時代を謳歌していた人には懐かしく、かつてを知らない人には最近多い、「かわいいネコちゃんグッズ」となるのだそう。
問い合わせから定番化した商品も
たくさんの文房具を扱うこの店には、あちこちで探したけれど見つからなかったものを求めて訪れたり、メールで問い合わせをしたりというお客様も多いそうです。

「メールは全国各地、年齢・性別問わず、いろいろな方から届きます。お越しになるお客様には自由に店内を見ていただいているため、直接話す機会はレジでやり取りするときぐらいなのですが、メールを送ってくださる方の中には、探していた文房具への想いを書いてくださる方もいらっしゃいます。そういう話を読むと、こちらも胸が熱くなり、探して差し上げたいという気持ちになります。
以前、「ミッキーナイフ」という、鉛筆削りに使われていたナイフを探してメールをくれた方がいらしたのですが、他にも問い合わせが多かったため、今ではお店の定番商品になっています」

山田文房具店では、ホームページで毎週、週間人気ランキングを掲載していますが、これとは別に常に人気上位の商品は、原稿用紙、レトロな雰囲気の菓子パン袋、そして図書館グッズだそうです。
「原稿用紙は小さいサイズのものを、メモ帳代わりに利用する方もいらっしゃるようです。また、日記や手紙を書くのにも使い勝手がいいと好評です。菓子パン袋はメロンパンやクリームパン、うぐいすパンなどの袋をモチーフにつくられたもので、ちょっとしたおすそわけをするときなどに使うと喜ばれますね」
文房具の新しい使い方を提案し、長く愛される商品に
図書館グッズは「禁帯出」や「書庫」といった、館内での本の扱い方を知らせるラベルや、借りた日とその人の名前が書いてある貸し出しカード、さらに、それを入れるために本の裏表紙の内側についていたブックポケット、そして本の分類に使うシールなど、ちょっとマニアックと言ってもいいぐらい、とても充実しています。今では図書館の本にはバーコードが貼られてデジタル管理され、スタジオジブリの映画『耳をすませば』のように、貸し出しカードに書いてある名前から恋が始まるなんてことは昔話でしかないのでしょう......なんてアナログな時代に思いをはせたりしてしまいます。