インド・メディアのDNAは20日、中国による脅威が背景となり、インドと台湾が接近を続けていると指摘する論説記事を発表した。資料写真。

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インド・メディアのDNA(DAILY NEWS&ANALYSIS)は20日、中国による脅威が背景となり、インドと台湾が接近を続けていると指摘する論説記事を発表した。記事は、2014年に発足したインドのモディ政権と、16年発足の台湾・蔡英文政権の方針により関係強化に拍車がかかったと論じた。

記事は、双方の関係構築は1995年に始まり、2002年には投資関連の協定が結ばれたと紹介。さらに、台湾側によるインド人学生を対象とする奨学金制度や03年の台北・ニューデリー直行航空便の開設など、双方は着実に関係を構築してきたと論じた。

インドで14年に発足したモディ政権は経済活性化を視野に、東アジアとの連携を図る「アクト・イースト政策」を推進する上で、台湾との関係を重視。モディ首相がグジャラート州知事時代に始め、現在も力を入れているビジネスサミットの「バイブラント・グジャラート」は15年、台湾代表を招いた。さらに蔡英文氏が総統選に勝利した直後の16年2月には、中国が反対したにもかかわらず、台湾の立法院委員(国会議員)3人からなる代表団を招待した。

2000年には12億ドル(約1307億円)だったインド・台湾の貿易額は16年には約60億ドル(約6537億円)までに増加。インドで操業する台湾企業は90社に達した。

記事は経済におけるインドと台湾の緊密化を推し量るよい例として、鴻海精密工業(フォックスコン、ホンハイ)が15年、インドへの50億ドル(約5448億円)の投資計画を明らかにしたことを挙げ、台湾はモディ首相が唱える「メイク・イン・インディア」「デジタル・インディア」、「スキル・インディア」などの政策において決定的に重要な役割を果たすことができると論じた。

さらに改めて、蔡英文政権が掲げる「新南向政策」とモディ政権の「アクト・イースト政策」は、双方の経済関係を緊密化するために極めて重要と指摘した。

インドと台湾の経済関係の緊密化の背景には、安全上の脅威としての中国という存在があると主張。インドは国境をめぐって中国と長年にわたって対立しており、最近は中国側が係争地について強引な姿勢を強めており、台湾についても中国当局は併合のために必要とあれば武力行使に訴えると強調していると指摘した。

また、インドと台湾の双方にとって、中国が南シナ海を自らの排他的支配領域にすることを阻止することは共通の利益と論じた。

記事は最後の部分で、安全保障を含むさまざまな分野でインドと台湾は今後も、関係をこれまでにない高いレベルに引き上げていくとの見方を示した。

中国メディアの環球網は同記事を紹介し、「インドはこれまでも台湾問題で何度も小細工をしている」、「台湾問題は中国の核心的問題に関わる。挑戦は受け入れない!」などと批判した。(翻訳・編集/如月隼人)