出力側を1回転させるのに入力側が何回転するかで表記する

  ご存じのように、エンジン付きのクルマにはトランスミッションやデフが組み合わされる。つまり、エンジンの動力をギヤを介して車輪に伝えて、走るわけだ。EVは基本的にはトランスミッションはないが、スポーツモデルなどでは装備しているモデルもなくはない。いずれにしても、ギヤを装備する理由は、エンジンなどのうまみを断続して引き出すためにある。

  この点が重要で、ただギヤを付ければいいというわけではなく、うまみを引き出すために最適なギヤの回転を決めなくてはならない。それがギヤ比で、出力側を1回転させるのに、入力側が何回転するかで表記する。たとえばギア比が3.1というのは、エンジンが3.1回すると、トランスミッションから出る軸が1回転するということだ。

  またCVTは無段変速なのだが、これも無数のギヤ比が連続的につながっていると考えてよく、一番小さいギヤ比から大きいギヤ比をつなげて表記し、2.419〜0.421などとなる。つまり、この間を行ったり来たりしているわけだ。

  そしてトランスミッションとは別に装着されるデファレンシャルギアも、名称を見ればわかるとおりギヤを内蔵していることから、当然ギヤ比は設定され、トランスミッションから出た動力が最終的にタイヤを回すことから最終減速比とも呼ばれる。

  いずれのギヤ比もカタログに明記してあるのだが、それはただ数値として並べてあるのではなく、ある程度の性能を見ただけ知ることができるから、表記されていると言っていい。より厳密にはトランスミッションのギヤ比とデフのギヤ比を掛けた、総合減速比で判断するのがより正確だが、ギヤ比が大きければ加速よりも駆動力重視。逆に小さければ、逆に駆動力よりも加速を重視しているとことになる。また各ギヤのつながり具合も知ることができるので、シフトアップするタイミングがせわしないのか、ゆったりとしているのかもわかる。

  さらにエンジン回転数/トランスミッションのギヤ比/デフのギヤ比/タイヤの外径をかけると、特定回転数での速度を割り出すことも可能。空力が関係するので厳密には違ってしまうが、レブリミットの回転数さえわかれば最高速度さえも計算することができる。

  ギヤ比からはさまざまなことがわかるだけに、カタログを見るときに気にしてみると、新しい発見があるかもしれない。そのクルマの性能をより深く知るためには、ギヤ比という視点は重要と言っていい。