豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドは20日、大気汚染に悩む中国当局の「青空を取り戻す」目標が冬場に天然ガス不足に陥る可能性を高めていると伝えた。写真は大気汚染に見舞われた日の北京。

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2017年8月21日、中国紙・環球時報によると、豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドは20日、大気汚染に悩む中国当局の「青空を取り戻す」目標が冬場に天然ガス不足に陥る可能性を高めていると伝えた。

クリーンな天然ガスを優先し石炭や石油の量を減らすことで悪名高いスモッグを減らそうとする習近平(シー・ジンピン)政権の努力は予想を上回るものだ。だが成功はあまりに大きく早すぎるかもしれない。

消費者が天然ガスにシフトし、ガス会社の契約世帯が増えるのに伴い、今年上半期の天然ガス消費量は前年同期比15%増加し、6月単月では前年を27%も上回った。

ジェフリーズ・グループとSCIインターナショナルのアナリストは、需要が低いこの時期の急激な増加により、冬場にガス不足に陥る可能性が高まっていると指摘する。

ジェフリーズ・グループ香港のアナリスト、ラバン・ユー氏は「供給と中国当局の規制によって引き起こされる需要の急上昇とのバランスをとるために、特に冬場のガス価格の上昇は避けられない」と話す。

中国のエネルギー管理当局によると、天然ガスと再生可能エネルギーをより多く使用するという努力により、今年上半期、エネルギー消費量のうち石炭の占める割合は60%以下となった。その割合は2015年には64%を占めており、政府は2020年には58%まで下げることを目指している。

天然ガスの使用は、発電や工業プラントなどの活動からの定期的な需要と、夏期および冬期の冷暖房機の季節的な需要の2つに分類される。数億人が暮らす北京、天津、ハルビンなどの北部の寒い気候の都市では、冬場に消費がピークに達する。

だが今年の需要は夏場に大きく上昇している。今年7月の天然ガスの輸入量は前年比55%増加し、年間を通じても同21%増加している。今年1月から7月までの国内産出量も同8.8%上回っている。

山東省に本拠を置くSCIインターナショナルのアナリスト、リウ・グアンビン氏は「政府の石炭からガスへの切り替え政策の中で、工業ユーザーからの需要が急増したため、今年の冬場のガス供給不足は、過去2年間の状況より厳しいものになるとみられる」と指摘する。一方で、国際的な液化天然ガス(LNG)市場の成長が中国の今冬の需要の急増の助けになるとの見方もある。(翻訳・編集/柳川)