オレたち、甲子園で戦ってました!

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 日々、熱戦が繰り広げられている夏の甲子園。優勝候補筆頭として注目を集めたのは史上初となる2度目の春夏連覇を目指した大阪桐蔭高だった(3回戦で仙台育英に1対2で敗退)。同校は現在に至るまで多くのプロ野球選手を輩出。甲子園でも好結果を残してきた。

 振り返ればプロ野球選手は、甲子園を目指す高校球児だった。高校時代から宿命のライバルとしてしのぎを削ってきた選手もいる。

 「週刊野球太郎」では3回に渡って甲子園で繰り広げられた「あの選手」と「あの選手」の対決を紹介。最終回となる今回は大阪桐蔭高出身のプロ野球選手たちの甲子園での戦いを紹介したい。

■ダルビッシュ有(東北高)vs.平田良介(大阪桐蔭高)

 2004年のセンバツ。13年ぶりの出場となった大阪桐蔭高の4番に座ったのは、2年生の平田良介(中日)だった。平田は1回戦で甲子園初本塁打を放ち、その片鱗を見せつけた。そして、2回戦で対戦したのがダルビッシュ有(ドジャース)を擁する東北高だった。

 東北高のエース・ダルビッシュは大会の最注目投手であり、1回戦の熊本工高戦でノーヒットノーランを達成。大阪桐蔭高戦でも快投を期待されていた。

 試合は、大阪桐蔭高が初回から3番・中村桂司の本塁打で1点を先制。その後、1対2と逆転を許すも、6回に再び中村の本塁打で同点に追いつく。そのまま迎えた8回、1死二塁のチャンスでここまでノーヒットの平田に打席が回ってきたものの遊ゴロ。チャンスで結果を残すことができなかった。

 結局、平田はダルビッシュの前に4打数ノーヒットと完全に抑え込まれ、4番としての責任を果たすことができず2対3で敗退。初めての甲子園はダルビッシュに完敗を喫するくやしいデビューとなった。

 なお、翌2005年夏の甲子園で大阪桐蔭高は再び東北高と激突。ダルビッシュは卒業していたものの今度は平田が3本塁打と爆発し、大阪桐蔭高が6対4でリベンジを果たした。ただ、2005年夏で取り上げる大阪桐蔭高の戦いは、次の駒大苫小牧高戦に譲りたい。

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■田中将大(駒大苫小牧高)vs.平田良介・中田翔(大阪桐蔭高)

 2005年夏の甲子園。優勝候補と目されていたのは、岡田貴弘(履正社高、現T-岡田、オリックス)、鶴直人(近大付高、元阪神)と並び「浪速の四天王」と呼ばれた辻内崇伸(元巨人)、平田を擁する大阪桐蔭高だった。

 また、チームには怪物スラッガーとして名を轟かせる1年生の中田翔(日本ハム)もおり、下馬評通り順調に勝ち上がっていった。前述した準々決勝の東北高戦では平田が清原和博(PL学園高、元西武ほか)以来となる1試合3本塁打を記録。意気揚々と準決勝に駒を進めた。

 その大阪桐蔭高の前に立ちはだかったのが前年(2004年)の覇者・駒大苫小牧高。先発は、いまやニューヨーク・ヤンキースのエース格にまで上り詰めた田中将大(当時2年)だった東北高戦で3本塁打を放った平田は3打数ノーヒット(2三振)、中田は3打数1安打(1三振)と抑えこまれた。

 試合は延長戦の末に大阪桐蔭高が5対6で敗退。スコアこそ接戦だったものの平田、中田の主軸は田中の前に沈黙し、最後の夏に有終の美を飾ることができなかった。

 平田の高校時代を振り返ると、甲子園でダルビッシュ、田中という後の球界を代表する投手の前に敗れ去っていたのだ。今の両投手の活躍を見ると「敗戦もしょうがない」と思える。

■筒香嘉智・倉本寿彦・土屋健二(横浜)vs.浅村栄斗(大阪桐蔭高)

 2008年夏の甲子園・準決勝で横浜高と大阪桐蔭高が激突した。横浜高は1番・三塁に倉本寿彦(DeNA)、4番・一塁に筒香嘉智(DeNA)、先発に土屋健二(元日本ハムほか)と、未来のプロ野球選手を3人擁するオーダーで試合に臨んだ。

 一方、大阪桐蔭高の1番・遊撃は浅村栄斗(西武)。今シーズン、後半戦から快進撃を続けている西武の主将がチームを引っ張っていたのだ。

 試合は土屋が9失点を喫し、大阪桐蔭高が決勝進出を果たすことになるが、倉本は5打数2安打、筒香は2打数1安打2四球、浅村は5打数3安打と野手陣はさすがの実力を見せた。

 浅村は続く決勝でも5打数3安打1四球とチームを牽引。常葉学園菊川高(現常葉大菊川高)を相手に17対0と快勝し、甲子園制覇を成し遂げた。

 甲子園での活躍がそのままプロ野球での活躍に直結するわけではないが、浅村の躍動はその後の活躍を予見させるものだった。この大会での浅村はまさに絶好調。鬼神のごとき働きを見せ、6試合で打率.552(29打数16安打)の成績を残している。そして優勝への道のりには筒香らを擁する横浜高との戦いも含まれていたのだ。

■田村龍弘・北條史也(光星学院高)vs.藤浪晋太郎・森友哉(大阪桐蔭高)

 2012年夏の甲子園決勝は、同年のセンバツ決勝と同じく大阪桐蔭高と光星学院高(現八戸学院光星高)の一戦となった。春夏連覇を掛けて臨んだ大阪桐蔭高のエースは藤浪晋太郎(阪神)、捕手は森友哉(西武)。後に球界を代表する選手となる2人がバッテリーを組んでいた。一方、光星学院高は3番・捕手に田村龍弘(ロッテ)、4番・遊撃手に北條史也(阪神)が顔をそろえていた。

 強打の田村、北條を中軸に据えた光星学院高は準々決勝で松井裕樹(楽天)を擁する桐光学園高に3対0で勝利。同大会で甲子園記録の1試合22奪三振を記録した松井に田村は1三振、北條は2三振を喫したものの、終盤に2人が連打を浴びせ勝利に導いた。

 こうして東北勢悲願の初優勝まであと1勝に迫った光星学院高だったが、藤浪の壁は厚く、そして高かった。田村、北條ともに2三振を喫し完封負け。9回に田村は1安打を放ったものの得点には結びつかなかった。

 藤浪は決勝の大舞台で完封勝利を収め春夏連覇。夏の甲子園通算で36回を投げて3失点と抜群の成績を残した。

 今シーズンの藤浪は制球難に陥り、2軍調整が続く不本意な成績となっているが、得意の夏に巻き返しを図りたい。

文=勝田 聡(かつた・さとし)

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