アラスカ航空からハートウォーミングな話題(画像は『ABC News 2017年8月10日付「Flight attendant and pilot back to work after kidney transplant」』のスクリーンショット)

写真拡大

愛する家族が慢性の腎臓病で苦しんでいると知ったら、自分が健康であれば腎臓提供を検討するという人は多い。だが職場の仲間に対してもまったく同じ気持ちになれるものであろうか。米アラスカ航空にまさにそれを実行に移した心優しいパイロットがいることを『ABC News』が伝え、多くの感動を呼んでいる。

珍しい女性パイロットとしてアラスカ航空に勤務しているジョディ・ハースキャンプさん。今から4年前、彼女の自宅は火事で全焼してしまった。焼け出された彼女を心配してラザニアを手に見舞っていたのは、それまで会話ひとつしたことのない客室乗務員のジェニー・スタンセルさんであった。ジョディさんの操縦の腕を信頼し、尊敬していたジェニーさん。3人の子を育てながら客室乗務員の激務をこなすジェニーさんを人生の先輩として慕うようになったジョディさん。2人はそれを機に親しく交流するようになっていった。

そんななかジェニーさんを15年間にわたり苦しめてきた慢性の腎臓病が今年になってさらに悪化し、医師からは「腎臓移植だけが唯一残された手段」と告げられた。この時に親身になって心配したのはジョディさんで、彼女は医師に「ジェニーに腎臓を提供したい」と名乗り出てくれた。数々の検査を経て3月には腎移植手術が無事成功。術後の経過はともに順調で、6月下旬にジェニーさんは「マラソン山(Mount Marathon 標高921m)」の登山レースに挑戦したが、ゴールではジョディさんが「私のもう1つの腎臓はこの山にいる友人の身体の中で生き生きと機能している」と記されたサインを掲げて待っていた。この時「ともに頑張って生きていこう」と強く認識した2人は、その後は臓器提供の重要性を説く活動にも積極的に参加しているもようだ。

こうして2人は手術から5か月近くという7月23日、再びアラスカ航空の制服に身を包むとジョディさんが操縦する旅客機で一緒に大空へ飛び立った。『ABC News』の取材を受け、「ラザニアを頂いたご縁で腎臓をあげちゃうだなんて、ずいぶん大胆なトレードよね」と笑うジョディさん。自分が困っていた時に温かい手を差し伸べてくれた人のことはやはり忘れられないものだとして、「ジェニーがご馳走してくれたのは愛情たっぷりのラザニア、本当に美味しいラザニアだったのよ」としみじみと語っている。

ジョディさんはもう一つの理由をアラスカ州のメディア『KTUU News』に漏らしていた。「臓器提供にとても前向きな考え方の人だったのに、私の母は脳腫瘍を患ったことから他界しても臓器を寄付することは全くできませんでした。そんな母の遺志を受け継ぐことは私の使命だと感じていたのです」とのこと。そのため周囲の愛する人々の命を臓器提供という形で支えることに恐怖や迷いはほとんどなかったそうだ。

画像は『ABC News 2017年8月10日付「Flight attendant and pilot back to work after kidney transplant」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)