何でもありうる移籍市場だけに、クラブのシンボルの動向にユベンティーノは戦々恐々としている。 (C) Getty Images

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 移籍市場では何が起きるか分からない。それを強く感じさせられたこの夏だからこそ、報道を知ったユベントスのサポーターは焦ったのではないだろうか。

 イタリアの一部メディアによると、ユベントスにおいてクラウディオ・マルキージオが「放出不可能」ではなくなりつつあるという。しかもそのイタリア代表MFが、ミランに移籍するかもしれないというのだ。
 
 7歳の時にユーベの下部組織に入団し、エンポリにレンタル移籍していた2007-08シーズンを除き、ユーベ一筋を貫いているマルキージオ。現代のサッカー界で消えつつある「バンディエーラ」(旗頭)のひとりと言える選手だ。
 
 だが、そのマルキージオも30歳を過ぎた。16年春に膝の靭帯断裂という重傷を負い、昨シーズン途中に復帰したが、その影響は随所で感じられた。
 
 この夏のプレシーズンは好調ぶりが取り上げられていたが、ラツィオとのイタリア・スーパーカップではスタメン落ち。さらにクラブは先日、パリ・サンジェルマンからブレーズ・マテュイディを獲得し、さらに中盤強化を続けるといわれている。マルキージオとマッシミリアーノ・アッレグリ監督の間に軋轢があるという説もある。
 
 そんななかで、ミランへの移籍報道が浮上した。しかもユーベは今夏、レオナルド・ボヌッチをミランに放出しており、そのボヌッチがマルキージオをミランに誘っているとの噂も出回っている。加えて、マルキージオはミランの開幕戦勝利を伝えるボヌッチのSNS投稿に「いいね」をした……。
 
 こうなれば、ユーベ・サポーターは黙って見ていられないだろう。
 
 マルキージオのインスタグラムには、「冗談はよしてくれ」、「出ていくなんて考えるなよ」、「頼むから残ってくれ、あんたはバンディエーラなんだ」と、残留を願うサポーターからのコメントが次々に寄せられた。「ユーベに残って」、「出ていかないで」といった英語のコメントも散見され、イタリア人以外のファンも呼びかけたようだ。
 
 イタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、こういったユーベ・サポーターの様子を「パニックに陥っている」と報じた。ただ同時に、ユーベとミランの両クラブが、マルキージオの移籍を否定したとも伝えている。
 
 さらに、マルキージオの代理人でもある父は、『calciomercato.it』のインタビューで「どこからこんな噂が出てきたのか分からない」と、息子の移籍説を一蹴した。
 
「2年前、我々は5年契約を結んだ。つまり、あと3年あるということだ。3日前にユーベと話したが、何も言われていない。ミランのことは噂だよ。確かなのは2つ。クラウディオはユーベでうまくやっており、ここでのプレーを望んでいるということだ。ユーベは常に多くの選手を獲得するが、それで彼が出ていかなければいけないということではない」
 
 父親は「何か月もプレーできなければ、来年は出ていくことを考えるかもしれない」としつつ、「土曜の試合で監督は彼を起用した。問題はない」とコメント。カリアリとのセリエA開幕戦に出場したマルキージオが、移籍することはないと強調した。
 
 ガゼッタ・デッロ・スポルト紙の報道や父親の発言からは、マルキージオがミランに移籍する可能性は低いと見られる。ただ、史上最高額でネイマールがバルセロナからパリ・サンジェルマンに移籍したように、もはや何があるか分からない移籍マーケットだけに、ファンは本人の残留宣言を待っているだろう。