アジアで輝く浦和の李、ACL8強へ川崎に宣戦布告 「カウンターを狙うから気をつけろ!」

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23日に注目の“日本勢対決”第1ラウンド 攻略のイメージは「9人で戦った札幌戦」

 日本勢対決となった23日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦に向けて、前日トレーニングを終えた浦和レッズのFW李忠成は、「カウンターを狙うから気をつけろ」と川崎フロンターレに宣戦布告した。

 浦和はラウンド16で済州ユナイテッド(韓国)を、川崎はムアントン・ユナイテッド(タイ)を破ってこのベスト8に進出した。李は「日本のベスト8じゃない。アジアのベスト8ですよ。もっと注目されても良いと思う」と、アウェーの等々力陸上競技場での大一番に意欲を燃やす。アジアサッカー連盟(AFC)も試合に向けた特集記事で、浦和のキーマンに李を指名している。

 7月5日に同じ等々力で行われたJ1リーグ第13節で、浦和は前任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が4バックで臨む奇策に打って出たものの、1-4と惨敗した。その教訓から、李は「今回は守備的に入ってカウンターが上手くハマれば点を取れる」と自信を見せる。そして、その指標になるのがペトロヴィッチ監督のラストゲームになった7月29日の第19節コンサドーレ札幌戦、後半3分から9人でプレーした試合だと話す。

「川崎はずっと変わらない。ポゼッションは相手の方が多くなると思うけど、奪って的確に攻撃へつなげること。良い守備からカウンターに行けると思うから、札幌戦で9人で戦った時みたいに一人が1.5倍、2倍走ることが大切になる」

「アジアカップでの思いがあるから…」

 李は、今季のACLで4得点を決めているが、そのうちの1点はラウンド16第2戦の済州戦だった。第1戦を0-2で落として迎えたゲームで、李はFW興梠慎三の先制ゴールの直後に、難しい角度から技ありの左足シュートでトータルスコアを2-2の同点に持ち込んだ。昨季もラウンド16のFCソウル(韓国)戦、敵地での第2戦で延長戦に突入し2ゴールを決めるなど、ACLで抜群の勝負強さを見せている。

 もっとも李と「アジア」と言えば、日本サッカー史に残るあの歴史的ゴールだろう。日本代表の一員として参戦した2011年のカタール・アジアカップ決勝、難敵オーストラリアを相手にした大熱戦に途中出場すると、延長後半に鮮やかな決勝ボレー弾を叩き込んだ。アジアでの勝負強さの原点はここにあると、李自身が語っている。

「あのアジアカップでの思いがあるから。ああいったトロフィーを掲げる瞬間を、サッカー人生の中でもう一度経験したい。この大会は大きなチャンスだと思っているし、アジアで一番を取って世界に出ていきたい」

 昨季はJリーグチャンピオンシップの決勝で鹿島アントラーズに敗れて、FIFAクラブワールドカップへの出場を逃した。第2戦を肋骨骨折で負傷欠場した李は翌日に涙を浮かべ、「世界の舞台でレアル(・マドリード)と戦う気でいた」と悔しがった。今季は開催国枠がないため、その舞台に立つにはアジアで優勝するしかない。

 李は「川崎に言っておいてください。カウンターを狙うから気をつけろって」と不敵に笑って決戦の地へ向かった。浦和にとって貴重なアウェーゴールを奪うと意気込むストライカーは、2007年以来のアジア王座奪還を狙う浦和のキープレーヤーとなるのは間違いない。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images