【インタビュー】エルヴェイティ「ケルトの文化はずっと俺の人生の一部」

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スイスのフォーク・メタル・バンド、エルヴェイティの2014年作『ORIGINS』に続く新作は、ケルト・ミュージックのルーツに立ち返ったアコースティック・アルバムとなった。2009年『EVOCATION I〜THE ARCANE DOMINION』に続くこの『EVOCATION II〜PANTHEON』について、また、ここのところメンバー・チェンジが続いていたバンド・ラインナップの変遷について、シンガーにしてマルチ・インストゥルメンタリスト/メイン・コンポーザーでコンセプターでもあるクリゲル・グランツマンに語ってもらった。

──2014年の初来日公演のあと、バグパイプ奏者のぺデ・キストレルが脱退しましたね。

クリゲル・グランツマン:特に何かコレという理由があったわけではなくて、長年の間に色々な出来事が積み重なった結果なんだ。彼の脱退は俺自身にとっても残念だったしとても悲しいことだったけど…まぁ、そういうことさ。

──後任のマッテオ・システィはどのようにして見つけたんですか?

クリゲル・グランツマン:マッテオが在籍するKRAMPUSとは長い付き合いで、仲のいい友達だったんだ。ペデが脱退した時、後任について話し合い、最初に浮かんだ候補がマッテオだったんだけど、声を掛けてみたら快く引き受けてくれた。

──2015年には、現在は復帰しているニコル・アンスペルゲル(Vln)が一時バンドを離れましたが、当時、彼女に何があったのでしょう。

クリゲル・グランツマン:…う〜ん、かなり個人的な事情なので、彼女としてもあまり語って欲しくないんじゃないかな。とにかく、家族にいくつか大きな問題が持ち上がり、当時はとても大変だったんだ。最初の数ヵ月は家庭の問題を抱えつつバンドのツアーに参加し、バンド活動と家庭問題の両方に対処しようとしていたんだ。結局はバンドから離れざるを得なくなってしまった。驚くほど素晴らしい才能の持ち主だから、彼女抜きで1年近く活動するのは大変だったよ。ただ、それが一時的なことなのは分かっていたから、戻って来て本当に嬉しいよ。

──ニコルが不在の間は、イスラエル出身のシル=ラン・イイノンがプレイしていましたね。

クリゲル・グランツマン:ニコルがバンドを離れる決心をした時、ちょうどツアーの真っ最中で本当に時間がなかったんだ。だから、Facebookに曲を上げ、その音源に合わせて一緒に演奏したり練習したりできるようにしておいて、「エルヴェイティの活動に2〜3ヵ月参加できる人がいたら、演奏した音源を送って欲しい」という告示を出した。たくさんの音源が送られてきたけど、その中でもシル=ランの演奏が最も説得力があった。エルヴェイティのツアー期間も参加可能だというから、彼女に決めたのさ。

──2016年には、アナ・マーフィ、イヴォ・ヘンツィ、メルリン・スッターが揃ってバンドを脱けてしまいました。最初にメルリンの解雇が決まり、アナとイーヴォがそれに追随したそうですが。

クリゲル・グランツマン:まぁ、そんなところかな。これもまた、長い間に色々な出来事が積み重なった結果だったと言える。俺が思うに、何年も前からバンド内部に不健全な集団力学が構築され始め、それが長年の間に大きくなってしまったんだ。もちろん、みんながミュージシャンや人として成長するのは普通のことだし、良いことだとは思うけど、その結果、一緒に活動するのが困難になる場合もある。バンド内に緊張が生まれ、結果的にメンバーが脱退したりペデのようにバンドから排除されたりすることになる。そうした状況がずっと続いていたものだから、去年の春「もうこういうのは良くない」と言わざるを得なくなった。このまま活動を共にしていたら、誰も幸せになれない。つまりはこのまま続けるわけにはいかなくなったんだよ。メンバーの半分は苦しんでいたし、そういう状態で活動を続けるのは良くないと思ったんでね。それで、どうすべきかみんなで話し合った結果、それぞれ別の道を行くのが最善の策だという結論に達したんだ。