7月24日、厚切りジェイソンが記者会見で「最近Whyと思ったこと」を聞かれ、「歯医者はなんで全部1回でやってくれないんですか!? 何回も何回も呼び出すな! その日で済ませとけよ」と訴えた。

 その答えを、元テレビレポーターで、美人すぎる現役歯科医として評判の西原郁子さんに聞いてみた。

「虫歯や神経の治療などは、薬が効くかどうかいろいろと種類を変えたりするんです。それで、生体反応を見るため時間を置くんですね。虫歯がいくつもあれば、何カ所も麻酔はできないですし」

 これを建前だとすると、本音はまた別にあるようだ。

「歯科医院は予約をキャンセルされると、そのぶんの収入がゼロになるです。もし2時間とか時間を取って、それがキャンセルされたら大損害。それで、30分とか小分けにする場合があるんです」

 最近問題になっているのが「歯科医院の過剰」である。大きな街では、駅前に歯科医院があちらこちらにある。実は、現在、歯科医院の数はコンビニより多いのだ。客を取り込みたいためサービスは向上し、いまでは土日や深夜に営業している医院も増えてきた。

 なぜ歯科医院は激増したのか。

「男性は勤務医を経て開業する人がほとんどのため、どんどん医院の数が増えるんです。どうも男性歯科医は、上からの指示で仕事をするより、治療方針も含め、自分で決めたいと考える傾向が強いようですね。しかも、30代40代のバリバリ働きたい開業医は、2軒目3軒目と拡大していくことが多いんです」

 歯科医院の数が増えすぎ、逆に赤字で潰れる医院も増えた。東京歯科保健医協会によると、2007年度にはほぼ1日1件のペースで潰れた計算になるという。

「開業医が稼げるかどうかは、ピンキリです。東京は家賃が高いので、銀座や表参道など、家賃が高い割に住民が少ないところは経営が難しく、赤字も多いと聞きます。一方、多店舗展開で成功した開業医の中には、年商10億円のところもあります。地方では、医師会に入ると助けてくれたりするので、比較的経営はしやすいでしょうね」

 歯科医院激増で必要となってくるのが、勤務医としての歯科医師だ。

「大規模経営を考えている歯科医からすると、勤務医として長く働く女性歯科医師は好まれる傾向にあります。女性はそれほど独立欲もなく、結婚や出産を経ると週2、3日の勤務がちょうどいいと考える人も多い。経営者からするとぴったりな人材なんです」

 歯科医師数を抑制するため、国立大学での定員削減、国家試験合格基準の引き上げが行われている。しかし、それだけでは問題解決は遠いのではないかと言う。

「周りの男性歯科医に聞くと、院長という肩書ができた途端、合コンで自己紹介しやすく、モテ始めたなんて話も聞きます。今後も男性医師の独立は止まらないでしょうね(笑)」

にしはらいくこ
 徳島大学歯学部卒業。東京医科歯科大学臨床研修医修了。現在は都内の有名歯科医院に勤務中。『歯医者に行きたくない人のための自分でできるデンタルケア』(アスコム)が発売中。