大学で教鞭をとる心理学者の平松隆円が、世の中のモテと恋愛について語る本連載。今回は、男子はなぜ女子の変化に鈍感なのか?という謎に迫っていきたいと思います。

髪形を変えたのに、彼に気づいてもらえなかった……。そんな経験、世の女性なら一度や二度はあるでしょう。「いやいや、一度や二度どころか毎回ですよ!」なんて声も聞こえてきそうです。

女友達ならすぐ気づいてもらえる髪形の変化。どうして男子たちは、気づくことができないのでしょうか? 今回は、その理由にせまります。

女子の変化に気づけないのは、大昔に原因が?

彼女の髪形の変化に気づけない男子たち。一言でいえば、“鈍感”ということでもあるのですが、その理由はものすごく大昔にまでさかのぼります。

はるか昔、男子と女子にはそれぞれの性にあわせた役割というものがありました。いわゆる伝統的性役割、ジェンダーです。

女子は、男子にはできないこととして、出産や育児をしなければいけません。すると、食料を探しに遠くへ狩りに出かけるということができず、必然的に家や村にとどまることが多くなってしまいます。すると、育児や料理や洗濯などといった家事が、女子の仕事として期待されます。

反対に、男子は女子の代わりに、遠くの野山へ行き狩りをして食料を採ってくるのが仕事になります。この性にもとづく役割の期待が、長い歴史のなかで男子の“鈍感さ”を生み出してしまいました。

仲良くするための“察する力”

女子は、家や村では残っている他の女子と1日を過ごします。つまり、女子は一緒に過ごす他の女子の言動や気持ちの変化を察することができなければ、心地よく1日を過ごすことができません。

しかも、火をおこしたり水を確保したりすることが難しい時代では、料理をするのも一人ではできません。

他の人の手を借りなければできないということは、それだけ他人の言動や気持ちの変化を察することができなければいけないということ。そのため、女子は周囲の変化を敏感に察する能力が発達したと考えられます。

それに対して男子は、共同で狩りをする場合もありますが、そんなときはリーダーの指示に従って狩りをします。もちろん察する力も必要ですが、狩りの場合は明確な言葉による指示に従って行動するのが大切です。

つまり、言わなくても察してあげることが必要だった女子に比べ、男子は察する能力が発達する機会が乏しかったんです。

いかがですか?

彼があなたの髪形の変化に気付かないのは、鈍感なことが理由ですが、それは必ずしも彼のせいとは言い切れないんです。

ひとの行動や心理は、生まれ落ちた瞬間から、社会や文化といった周囲の環境の影響を受けて培われていく部分と、長い進化の過程で培われた部分があります。男子が察することが苦手というのは、後者の進化の過程で培われた部分。

男子は鈍感なもの、とあなたが理解すれば、彼と不要なケンカをしなくてすむようになるかもしれませんよ。