本田圭佑が務めるポジションには強力なライバルたちが複数いる【写真:Getty Images】

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前節はライバルたちが躍動。逆転勝利たぐり寄せる

 パチューカ加入以降、負傷などで出遅れていまだに試合出場を果たせていない本田圭佑。18日のモレリア戦でも招集外となっていたが、ついにメキシコデビューの日が近づいている。現地時間22日に行われるホームでのベラクルス戦に出場する公算が高まってきた。背番号「02」の日本代表MFはどんな形で起用されることになるのだろうか。(文:河治良幸)

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 本田圭佑が欠場となった現地時間18日モレリア戦でライバルたちが躍動した。前半34分に右サイドを崩される形で失点したが、それまでもチャンスの数で上回っていたパチューカは4分後に攻守の切り替わりから中央を突く。左ウィングから中に流れたエリック・アギーレのスルーパスにビクトル・グスマンが抜け出し、GKの足下を破るシュートで同点に追いついた。

 さらに攻勢をかけるパチューカは前半45分、セカンドボールから右サイドのホナタン・ウレタビスカヤがゴール左にボールを蹴り入れるとグスマンがダイビングヘッドで合わせ、逆転となる2ゴール目を挙げた。後半は守る時間が長くなったものの、決定的なスペースを与えなかったパチューカが2-1で勝利した。

 この日は中盤のポゼッションがほぼイーブンの状況で、通常よりカウンターが多い試合展開となった。そのため左右のSBはポジションを上げすぎないようにしていたが、その分も3トップとインサイドハーフの2人が中寄りで効率よく連動し、チャンスに結びつけていた。

 特に目立ったのは左右インサイドハーフのエリック・グティエレスとグスマンだ。左インサイドハーフのグティエレスはメキシコ代表にも継続的に招集されている期待の若手で、正確な左足のパスと181cmの長身を生かしたボールキープは本田とキャラクターが重なる部分もある。ただ、中盤を幅広く動き回るタイプではなく、本田が右のインサイドハーフをつとめる場合は共存も十分に可能だ。

 右インサイドハーフのグスマンはハードワークとモレリア戦で見せたような2列目からの飛び出しを武器としており、中盤の高い位置でボールを持てば積極的に突破を狙うタイプ。本田とはキャラクターが異なるが、本来得意とするポジションから直接的なライバルになりうるわけだ。

本田の起用法は? メキシコデビューへ条件整う

 本田の適正ポジションとチーム戦術、他の選手との組み合わせから、ウルグアイ人のディエゴ・アロンソ監督がどういうチョイスをしていくかは気になるところ。現役時代はバレンシアやアトレティコ・マドリーでも活躍したアロンソ監督はスペインの指導理論を学んでおり、[4-3-3]の基本システムもポゼッションと幅のあるパスワークをイメージしたものだろう。

 その基準でいけば、左利きの本田をサイドとのパスワークで機能させやすい左インサイドハーフの起用も考えられる。ただ、マーカーを背負いながらボールを捌けるキープ力と日本代表のシリア戦で乾貴士に通した様なサイドチェンジ、鋭いスルーパスや左足のミドルシュートといった本田の持ち味は右インサイドハーフからの方が発揮しやすい。

 22日に対戦するベラクルスはホームでケレタロを相手に38%のボール保持率だったデータが示す通り、メキシコリーグの中では堅守からのカウンターを武器とするチーム。モレリア戦より中盤のポゼッションが高くなると予想できるが、本田にとってはメキシコでのデビューともなるだけに、ここでどういう形で起用されるかは今後にも大きく影響する。ベラクルス戦で本田が出場するかどうか定かではないが、過密日程のミッドウィーク、しかもホームゲームでありデビューに向けて条件は揃っている。全てはコンディション次第だろう。

 ただ、メキシコ代表のグティエレスもリオデジャネイロ五輪のメキシコ代表メンバーだったグスマンも実力者であり、モレリア戦では左ウィングで出場したアギーレやチリ代表の新戦力エドソン・プッチといったライバルもいる。

 開幕直前の加入、しかも怪我で出遅れたことにより、いきなり難しい状況になるが、試合のパフォーマンスが全てを決める世界でもある。ゴールやアシストと言った結果はもちろんだが、経験豊富な日本代表MFに相応しいパフォーマンスでデビューを飾ることを期待したい。

(文:河治良幸)

text by 河治良幸