8月22日は皆既日食!どんな現象?専門家が解説

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2017年8月21日にアメリカで起きる皆既日食(日本では8月22日)。残念ながら日本では見られないのだが、非常に珍しい現象だ。だが、「教えて!goo」の「皆既日食について説明を!!」という質問にもあるように、実際にはどのようなことが起こるのか分からないという人も多いのでは?

そこで、国立天文台の大越治さんに、皆既日食の解説や観察するときの注意点などを聞いてみた。

■そもそも皆既日食(皆既食)って何?

中学生の頃に理科の授業で習うことだが、地球は太陽の周りを、月は地球の周りをそれぞれ回っている。日食は、太陽、月、地球が一直線上に並んだときに起こる天文現象だ。

「太陽と地球の間に月が割り込んできて、月の影が地表(地球の表面)に落ちたとき、その影のなかで『日食』が見られます。地球の周囲を回る月の軌道は楕円形で、月は地球に近づいたり遠ざかったりします。月が地球から近いときに日食が起きると、月が大きく見え、太陽を完全に隠してしまいます。これが『皆既食』です」(大越さん)

よく似た名前の現象として、太陽がリング状に見える「金環日食(金環食)」、太陽の一部分が隠れている「部分日食(部分食)」がある。これらはどう違うのだろうか?

「月が地球から遠いときに日食が起きると、月は小さく見えるので太陽を隠しきれません。この状態が『金環食』です。また、太陽と月が直線上に並ぶと月の後ろに影ができますが、太陽の光が地球にまったく届かない『本影』と、太陽の光の一部が地球に届く『半影』があります。半影のなかでは太陽の一部分が月に隠されるので、『部分食』となります」(大越さん)

本影のなかでは太陽の光が地表に届かなくなり、「皆既食」となる。本影に比べて半影の面積は大きいため、「部分食」は広い地域で見ることができるそうだ。(画像提供:国立天文台 天文情報センター)

■見るときの注意点はある?

地域にもよるが、皆既食や金環食のとき、基本的には時間の経過とともに、丸い太陽→部分食→皆既食(金環食)→部分食→丸い太陽という順に変化していく。

「皆既食になると、空が暗くなって星も見えるようになります。太陽本体は月に隠されて見えませんが、太陽の周囲にある『コロナ』が真珠色に美しく輝く様子が肉眼でも見えるようになります。コロナが見える時間は数秒〜約7分ですが、いつの日食かによって、あるいは見る場所によって違います。コロナの前後には、月の表面の谷間からわずかに太陽の光が漏れるダイヤモンドリングという非常に美しい現象も見られます」(大越さん)

金環食や部分食では太陽の一部が出ているので、空はわずかしか暗くならず、星もコロナもダイヤモンドリングも見えないのだとか。

「皆既の最中は太陽が完全に隠れているので、肉眼で安全に見ることができます。むしろ、日食グラスなどを使っては美しい現象を見ることができないので、皆既になったら日食グラスを取り去ることが必要です」(大越さん)

しかし、皆既が終わって部分食になったら、肉眼で太陽を見ることは大変危険なので絶対にやめよう。

「部分食や金環食ではまぶしい太陽の一部が見えているので、『日食グラス』や『日食めがね』と呼ばれるフィルターを使う必要があります。たとえ一部しか出ていなくても、太陽の光は非常に強いので、じかに太陽を見ることは非常に危険です。フィルターを使わない場合は、間接的な方法で観察しなくてはなりません」(大越さん)

気軽に用意できるのは、厚紙など光を通さないシート。ここに小さな穴を開けて日食中の太陽の光を当てると、穴を通って影の中に映った太陽の光が、欠けた太陽の形になっているそうだ。

■日本で皆既日食が見られるのはいつ?

次に日食が見られるのは2019年1月6日、このときは部分食。部分食は数年おきに観察できるが、金環食が次に見られるのは13年後、皆既食は18年後なのだとか。

「2030年6月1日に北海道の大部分で金環食、その他の地方は部分食を観察できます。2035年9月2日には能登半島から茨城県にかけて皆既食、その他の地域では部分食を観察できます」(大越さん)

金環食や皆既食はめったに見られない珍しい現象なだけに、そのときが来たらなんとしてでも観察したいところ。なお、日食についてもっと詳しく知りたい人は国立天文台のホームページもチェックしよう。

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)