ウクライナのロケットメーカー、北朝鮮へのノウハウ流出を否定

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【ウクライナ、ドニプロ・AP通信】 ウクライナの大手ロケットメーカーのトップは15日、同社の技術が北朝鮮にもたらされ、こののけ者的な国家によるミサイルプログラムの躍進につながっているのではないかという主張を否定した。

 オンラインサイト「Strana.ua.」で15日に報じられた発言内容からすると、KBユージュノエ社長のアレクサンドレ・デグチャレフ(Alexander Degtyarev) 氏は、同社スタッフが北朝鮮にノウハウを流出させていないことに自信を持っている。

 デグチャレフ氏は、ドニプロ市にある工場からの不正な技術移転は否定したものの、工場にある製品が複製された可能性のあることは認めた。

 「当社エンジンは、世界中で高く評価されています。どこかの場所で、複製をうまく製造できた可能性はあります」

 ニューヨークタイムズは14日、北朝鮮が弾道ミサイルの製造で急速な進展をみせており、強力なロケットエンジンを闇市場で購入することで、米国に到達できる能力を持つようになる可能性を報じた。その調達先がウクライナのKBユージェノエ工場である懸念があるが、ウクライナ高官は怒りを露わにしてそれを否定した。

 北朝鮮はかつて、この工場に並々ならぬ関心を示していたことがある。

 デグチャレフ氏は2011年に起きた事件について語った。当時、通商代表の身分をかたった北朝鮮から来た人物が2人、工場から技術を盗み出そうとしたが、犯行が露見し逮捕された。翌年、2人はスパイ容疑で起訴され、ともに禁固8年の有罪判決を受けた。

 KBユージュノエとドニプロにあるユージュマシュ工場は1950年以降、大陸間弾道ミサイル(ICBM)製造をリードしており、ソ連時代には最も恐ろしい兵器も複数開発していた。

 同社が設計したミサイルの中には、重量級のR-36M(西側諸国でのコードネームはサタン)もあり、これは今でもロシアが保有する最強のICBMである。

 ソ連崩壊後、ウクライナはソ連時代の核兵器をすべてロシアに送り出したのち、米国の仲介の下でドニプロ工場の操業に向け、ロシアの宇宙開発プログラムに協力する形で依存することとなった。

 しかしその協力関係は、旧ソ連の隣国であった両国が痛々しい対立に向かったことで終わりを迎えた。ロシアは2014年、ウクライナの親ロシア派ヤヌコヴィッチ大統領追放に対し、クリミア半島の併合、東部ウクライナの反体制分離主義者に対する支援で対抗した。

 ロシアとの関係が絶たれたことで、ドニプロにある工場は安定的な受注確保が困難になった。

 初夏に掲載されたポピュラーメカニクス誌の記事において、KBユージュノエがソ連の月探査プログラム向けに設計した推進モジュールに中国が 関心を示していると報じられた。

 KBユージュノエは、いかなるロケット技術も中国に移転されていないと主張、 怒りを露わにしてこれを否定した。

 公式にはこのように否定されたものの、ウクライナには機密性の高い技術を不正に移転した過去の歴史もあり、疑念が高まっている。

 2003年のイラク戦争が始まる少し前、米国は、洗練されたコルチュガ(Kolchuga)型軍事レーダーをサダム・フセインの軍隊に売却したとしてウクライナ政府を非難した。

 ウクライナ当局は2005年、 6基のソ連製Kh-55クルーズミサイルが2000年に中国に移転されたほか、別の6基が2001年にイラクに渡ったことを認めている。

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