ボクセルベースで3Dプリンターによってデザインすることで、素材の強度や柔らかさなどにこだわった「Voxel Chair」がデザインされました。これまで3Dプリンター製の家具は表面的な部分しかデザインできないことが多かったのに対し、Voxel Chairはフィラメントによる構造の密度を調整することで、より機能的な家具をデザインできるようになっています。

Design Computation Lab

http://designcomputationlab.org/voxelchair-v10

VoxelChair - Designing for behaviour and properties of the material / ‪@BartlettArchUCL

http://www.creativeapplications.net/objects/voxelchair/

これがVoxel Chair。フィラメントの出力のされ方が均一ではなく、外側と中央部で異なった並びになっているのがわかります。



背面はこんな感じ。



近くで見るとこう。並列方向に並んでいるフィラメントもあれば、一見するとランダムに出力されているような箇所も存在します。



実際に3Dプリンターでイスを出力する様子は以下から見ることができます。

Voxel Chair v1 on Vimeo

3Dプリンターによって出力されている青い樹脂。



作り出そうとしているオブジェクトのデザインはこんな感じ。モデリング画面では少しわかりにくいのですが、イスです。



横に倒した状態。



通常、3Dプリンターでオブジェクトをデザインする時は、まずソフトウェア上でメッシュで表現したオブジェクトをモデリングし、それを別のソフトウェアでレイヤー状にスライスして、レイヤーに基づいて出力を行っていきます。しかし、Voxel Chairのプロセスはその逆で、まず一連のツールパスのパターンをデザインし、次にそれらを組み合わせてどのようにオブジェクトを組み立てていくかを決めます。



この方法はパフォーマンス面でのメリットがあるだけではなく、デザイナーがより細かい部分まで設計することを可能にします。つまり、強度を高めたい部分を高い密度で出力したり、使用者の体と触れる部分を柔らかく設計したりが可能なわけです。



作業開始時点では薄いレイヤーの状態です。



設計はボクセルベース。これを繰り返していくことで……



徐々に立体が作り上げられていきます。



これが完成図。





デザイナーであるヴァーナー・パントンの「パントン・チェア」を意識したデザインですが、パントン・チェアが型を使って作られた滑らかな作品であるのに対し、Voxel Chairはロボットによって出力された雲のようなボリュームある作品となっています。



実際に座っている様子は以下のような感じ。なお、Voxel Chairをデザインしたのはユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのDesign Computation Labに属するManuel Jimenez GarciaさんとGilles Retsinさん。記事作成時点でVoxel Chairの販売などはされておらず、作品はフランスのポンピドゥー・センターで展示されているとのことです。