映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」を田中敦子、押井守(写真左から)が語る!

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スカーレット・ヨハンソン主演のハリウッドSF映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」のBlu-ray&DVDが8月23日(水)に発売。そのリリースを記念し、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」(1995年)で監督を務めた押井守と、本作の日本語吹き替え版でスカーレット・ヨハンソン演じる少佐の声を担当した田中敦子がインタビューに応じた。

【写真を見る】スカーレット・ヨハンソン演じる少佐の激しいアクションも見どころ/(C) 2017 Paramount Pictures and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

本作は、押井によるアニメ映画「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」をハリウッドで実写化した作品で、ビートたけし、桃井かおりら日本人キャストの起用でも話題を呼んだ。また、日本語吹き替え版では田中(草薙素子役/“少佐”役)をはじめ、大塚明夫(バトー役)、山寺宏一(トグサ役)らアニメ版の主要キャストが同じ役柄を担当している。

――長らく二次元で愛されてきたシリーズが、実写化されました。芸者ロボに、摩訶不思議な近未来都市、脳内を具現化、など見たこともない実写映像が随所に描かれワクワクするシーンがたくさんありました。印象的、もしくはいい意味で「そうきたか!」など予想を裏切られたなど、特に楽しまれたお気に入りのシーンやポイントがあればお教えください。

押井:この作品はキャラクターもさることながら、この独特の世界観をその時代にできる映像表現でどう見せるかという技術的なテーマが肝なのかなと思います。情報量が多いので衣装だったり重機だったり、一回だけでは分からない部分がたくさんあると思うし、こういうビジュアルの作品の場合は、映像のディティールの表現というのは非常に楽しめると思います。すべてのシーンに隙がないというのがどれだけすごいかに注目してほしいですね。

田中:「攻殻機動隊 S.A.C.」(※2002年ほか放送のテレビアニメ作品)の第一話で芸者ロボットの声も担当させて頂いたのですが、実際に演じられる女優さんそっくりのお面をつけて本作に登場するのを見て、日本のからくり人形を思い起こさせるような仕組みに驚きました。押井監督へのリスペクトや愛に溢れた作品というのはもちろん、日本そのものに対する想いの大きさや、素子が光学迷彩を着てビルの屋上から消えていくシーンなどの映像もとても素晴らしかったです。アニメーションでは少佐の生い立ちはほとんど描かれていないのですが、本作では彼女が自分の過去をひもといていくストーリー展開になっていたり、ハリウッド映画ならではの色々な仕掛けの素晴らしさ・面白さが見どころだと思います。

――劇場版アニメで素子の声を担当した田中さんが今回は実写でスカーレット・ヨハンソンの吹き替えをしたということで、押井監督も楽しみにしているところもあったかと思いますが、実際にご覧になっていかがでしたか?

押井:自分が監督した作品を実写化したものを同じ吹き替えキャストが担当するというのは僕にとっても初めての経験だったので感慨深かったですね。スカーレット・ヨハンソンの吹き替えとして違和感がなくて非常に自然だったなと。原作が好きだというお客さんは安心して楽しめると思うし、吹き替え版しか見なくても十分成立していますよね。オリジナルキャストでやり通せたというのは自分としてもうれしかったです。

――アニメと実写映画の吹き替えは、そもそも違うものだと思いますが、押井監督もしくはアニメ版の吹き替えのディレクションと本作の吹き替えのディレクションで、声を演じる上で、どのような違いがありましたか?

田中:アニメーションでは監督がトップにいてキャストと監督の間に演出をする音響監督がいるんですが、実写では既に出来上がった作品にあてる形で音響監督がトップにいるんです。今回の音響監督はアニメーションの時とは別の方だったんですが、スタッフ・キャスト全員でディスカッションする形での収録でした。中でも日本語吹き替えならではの制限というか、呼びかけや言葉遣いによって人間関係が分かったりするのでその辺りは一番気を使いましたね。トグサは少佐に対しては敬語・丁寧語を使うとか、普段は「荒巻課長」と呼びかけないけど、ストーリーの展開上「荒巻課長」と言っておかなきゃいけないこととかもあって、そこはみんなで考えながら作っていった吹き替え版だったなと感じました。

――ご担当されたアニメがハリウッドで実写化され、さらにその作品の吹き替えをするというのは初めての経験だったと思います。今後日本のコンテンツのハリウッド実写化の企画が発表されているので、どんどんその経験をする声優さんも増えるかもしれません。田中さんご自身は、この経験は、どのように感じていますか?

田中:すごく不思議な体験でした。日本発の原作作品がハリウッドで実写化するというのは、この作品が長い間支持されて世界中に影響を与えていることの証ですし、その吹き替えを他の誰でもない自分が担当するというのは奇跡的なことだと思います。特に今回うれしかったのは「ゴースト・イン・ザ・シェル」にオリジナルキャストで出演することになったことに対して声優業界の皆さんがとても喜んでくださったことがすごくうれしかったです。自分にとって素子という存在は一番近い存在でもあり遠い存在でもあり、素子が私を選んでくれたと感じるんです。

――今回ハリウッドで実写化されたことにより「攻殻機動隊」シリーズを知らない新しい層にも多く視聴されましたし、DVDリリースすることで、さらに幅が広がります。まっさらな方々に、この映画に興味をもってもらうための、PRを1〜2言お願いします。

押井:攻殻機動隊シリーズを見たことがある人は映像のディティールの表現に注目してもらえばいいと思うし、シンプルながら力強い作品なので見たことがない人こそ楽しめるしオススメです。

田中:ハリウッドのミラクルが詰まった作品で、素敵なエンターテイメント作品に仕上がっています。日本語吹き替えには大塚明夫さん、山寺宏一さんといったアニメーションの時のオリジナルキャストが参加しています。ぜひご自宅でお楽しみください。