開幕戦で先発フル出場を果たした長友。指揮官からの評価も高く、上々のスタートを切ったかに思えたが……。 (C) Getty Images

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 インテルに所属する日本代表DFの長友佑都は現地時間8月20日、フィオレンティーナとのセリエA開幕戦で先発フル出場。先制点に絡む活躍を披露した。
 
 一時は新加入ダウベルトとのポジション争いに敗れるとの報道もあったが、指揮官のルチアーノ・スパレッティが左SBに起用したのは、背番号55だった。昨シーズンは出場機会に恵まれず、サポーターやメディアから酷評され、一時は放出濃厚とも言われた長友だけに、開幕スタメン起用には驚きの声もあった。しかし、スパレッティからの信頼は厚いようだ。
 
 そんな長友は、開始早々に指揮官の期待に応える。自陣からのロングボールで、マウロ・イカルディにパスを通すと、これがインテルの先制点に繋がる。パスを受けたイカルディがペナルティーエリア内で倒され、ビデオ・アシスタント・レフェリーによる判定で得たPKを自ら決めたのだ。
 
 幸先よく先制したインテルは、本拠地サン・シーロでの開幕戦で3-0の快勝と上々のスタートを切った。インテルの専門サイト『fcinter1908』によると、スパレッティは試合後の会見で、「長友は攻守にわたって素晴らしい試合をした」と、日本代表DFに賛辞を寄せている。
 
 そして、辛口のイタリア・メディアも、『メディアセット』や『fcinter1908』は及第点を上回る「6.5」と採点し、さらに『Calciomercato.com』やインテルの専門サイト『fcinternews』も及第点の「6」と、まずまずの評価を下した。
 
 しかし、立ち上がりこそ躍動していた長友だが、徐々に冷や汗をかかせるような場面を見せていたことも事実だ。実際、『スカイ・スポーツ』の採点は及第点を下回る「5.5」。同サイトのユーザーによる採点も同じく「5.5」と厳しめだった。
 
 さらに、新聞でも長友への辛口評価が続く。
 
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙は、マッチレポートで「(右SBのダニーロ・)ダンブロージオと長友は苦しんだ」、「長友はいつものように守備の穴を見せた」と指摘。そして、寸評採点においても、「5.5」を付けて、「前半は抑えがたいところもあったが、後半はフィジカル面でも戦術面でも明らかに困難にあった。よって採点はその中間」と評している。
 
 また『コッリエレ・デッロ・スポルト』紙は、採点こそ「6」と及第点だが、「2つのアシストでスタートダッシュをし、それからブレーキ」と、徐々にパフォーマンスが低下したとの評価を書き綴っている。
 
 さらに同紙は、マッチレポートでも「前半の始めは悪くなかったが、それからいつもの不確実なところを見せた」と指摘。「今シーズンのインテルの左SBはダウベルト」と、今後は長友がニューフェイスにスタメンの座を明け渡すと予想した。
 
 インテルは早ければ8月21日にもバレンシアからポルトガル代表SBジョアン・カンセロを獲得すると見られており、両SBのポジション争いはさらに激化する見込みだ。
 
 試合後に自身のツイッターで、「また新しいサイドバックも来るみたいやし、6人での競争が始まる。気が抜けない」と、兜の緒を締めた長友。はたして、今後レギュラーポジションを守り抜き、イタリア・メディアを黙らせることはできるだろうか?

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