大会3連覇を達成した宮本一平【写真:編集部】

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インターハイ、東京五輪目指す3年生が100&200平とメドレーリレー制覇

 男子競泳界に、楽しみな逸材が現れた。20日まで行われた全国高校総体(インターハイ)。宮本一平(3年=埼玉・埼玉栄)が100メートル、200メートルの平泳ぎで2冠。400メートルメドレーリレーを含めると、3種目を制覇した。

「2年前に(個人で)2冠を獲れたけど、去年は金メダルを獲れなかった。今年は金メダルを奪回してやろうと思ってきた。最後の年に100メートル、200メートルで2冠を獲れたことがうれしい」

 最終日の100メートル平泳ぎを1分1秒09の自己ベストで制すると、歓喜の声を弾ませた。

「入水からまとう水が気持ち良くて。最初のひとかきから水が流れる感じを体でしみじみと感じていた。あとは自分との闘い。ガムシャラに泳ぎました!」

 独特の表現で振り返った3年生にとって「親友以上の存在」が力になった。女子でチームメートの佐藤千夏(3年)が400メートルと800メートルの自由形を制していた。

武器のマッスルパワー「筋肉を最大限に使わないと」…レース前の待機所で筋トレ

「佐藤さんが2冠をしていたことが力になった。自分にとって親友以上の存在。なんでも話せるし、(佐藤が)優勝して自分も優勝しなきゃという気持ちになった」

 スタート台に立てば、孤独な闘いの競泳。最強のチームメートの存在が奮い立たせてくれた。

 とはいえ、結果が出せるのは実力があってこそ。武器の一つががっしりとした体形だ。100メートルを制した後、こんなことを語っていた。
 
「筋肉がある部分を最大限に使わないといけないと思った。200メートルと違って100メートルはパワーを使う。だから、体を思う存分、動かせるようにしようと」

 昨年12月に腰椎分離症と診断され、肉体強化のため、日常的に腹筋、腕立て、スクワットなど鍛え抜いているが、レース前の待機所でも「汗をかくくらい」に筋トレを敢行。マッスルパワーをフル活用し、大舞台で躍動した。

不参加の世界ジュニア組に秘めた思い「記録でメッセージを2人に届けたかった」

 今大会には特別な思いもあった。2年に一度開かれる世界ジュニア選手権(インディアナポリス)が同時期にあり、大崎威久馬(桐光学園)、花車優(丸亀)という実力選手が不参加だった。宮本は言う。

「世界ジュニア組がいなくても、高いレベルのレースができるということを記録でメッセージを2人に届けたかった。世界ジュニア組も自分たち以上に競り合って頑張ってほしい」

 海の向こうにいるライバルへのエールも込めた魂の3冠だった。

 目指すは東京五輪だ。平泳ぎは日本では200メートル2分6秒67の世界記録保持者・渡辺一平(早大)が君臨。卒業後は法大に進学する宮本は「6秒台、それよりももっといかないといけない。残り3年、なんとか頑張って金メダルを狙いたい」と誓った。

 この夏に掴んだ自信を胸に、宮本一平は東京五輪の表彰台の真ん中を目指し、突き進んでいく。