長年スカイ・スポーツで記者を務めているダミーコ(左)。そんな女性記者の発言に過剰ともいえる反応を示したのはミラン。モンテッラ(右)をはじめとするチーム全員が口を閉ざした。(C) Getty Images

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 ミランは現地時間8月20日のセリエA開幕戦で、クロトーネに敵地で3-0と快勝した。今シーズンから中国資本を背景とした改革をスタートさせた首脳陣も上々のスタートを喜んでいるに違いない。ただ、試合前のサッカー番組での司会者の発言に、ミランは怒っていたようだ。
 
 問題となったのは、イタリア『スカイ・スポーツ』の番組『スカイ・カルチョ・ショー』で、司会を務めた女性記者イラーリア・ダミーコが口にした「もしも」の一言だった。イタリア紙『コッリエレ・デッロ・スポルト』が伝えている。
 
「もしも財政面で、すべてが保証されるのであれば、ミランは大変なことをやってのけたことになる。『もしも』と言わなければならないのは、あまりに多額の投資で、すべてがはっきりするのを待たなければいけない」
 
 中国資本からの投資を受け、今夏の移籍市場で大型補強を展開しているミランだが、中国人投資家のヨンホン・リーがシルビオ・ベルルスコーニからクラブを購入する際、破談の危機に瀕しながらも、投資会社『エリオット』の融資を受けて買収を実現させたのは周知のとおりだ。それだけに、クラブ財政に関しては、懐疑的な声も少なくない。
 
 そうしたデリケートな問題に関するダミーコ記者の発言が気に入らなかったのか、ミランは試合後、スカイ・スポーツに対してのみ、かん口令を敷いた。ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督を筆頭に、選手たちや関係者も同メディアには口を閉ざしたのだ。
 
 コッリエレ・デッロ・スポルト紙によれば、他のテレビ局が指揮官のインタビューを放送したのに対し、スカイ・スポーツは試合後会見の一部を流すだけにとどまざるを得なかったという。ダミーコ記者は自身の発言がミランの怒りを買ったと伝えつつ、その異例の対応に「残念だ」と述べている。
 
「私の『もしも』という発言が、スカイ・スポーツに対してかん口令を敷くというミランの決定につながったわ。この決定そのものがすべてを物語っていることは、お伝えするまでもない。当然、私は今後も自由に考えを伝え続ける。それは、これだけ多額の投資をした者すべてに対して思うことよ」
 
 ユベントス守護神ジャンルイジ・ブッフォンのパートナーとしても知られるダミーコ記者だが、「ミランとの間に個人的な問題はまったくない。そして、偏見もない」とコメント。「私もスカイも、ミランが再び高みに立ち、リーグが再び拮抗したものとなることを大きく喜んでいる」と、中立の立場を強調した。
 
 そのうえで、ダミーコ記者は「私たちはミランが素晴らしい補強をしたことを強調し、そしてジャーナリズムとして、これらの取引に関する当惑を伝えた」と、報道機関として投資額に懸念を示すのは当然だと主張。「このような報復措置には遭ったことはない。私たちは他のクラブに対しても同じことを言ってきたのに」と、ミランを批判している。
 
 イタリアではメディアとクラブが対立することは珍しくないが、開幕戦からいきなり衝突するのは、稀な出来事だと言える。はたしてミランとスカイは、シーズン中に和解に至るのだろうか――。

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