<年に1度の大巡礼ハッジを8月末に控え、断交中のカタールの巡礼者を、聖地のあるサウジアラビアに入国させるかどうかで非難の応酬があったが、サウジ国王がカタール巡礼者のためにボーイング機7機を私費で調達するという太っ腹な解決に>

イスラム教徒がサウジアラビアの聖地メッカを訪れる年に1度の大巡礼「ハッジ」を8月末に控え、サウジアラビアのサルマン国王は、6月に国交を断絶して以来対立が続くカタールの巡礼者をメッカに運ぶため、特別機を私費でチャーターすることを決めた。政治対立が宗教対立に発展するのを防ぐための寛大なジェスチャーだ。

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サウジアラビアをはじめとする湾岸諸国がカタールと断交し、人や物資の往来を禁止したことで、中東は過去数十年で最悪の外交危機の最中にある。カタールの巡礼者受け入れを巡っても一時、両国間に緊張が走ったが、サルマン国王は世界最大級の双発ジェット機である米ボーイング777型機7機をチャーターし、カタールの巡礼者を首都ドーハからサウジアラビア西部の港湾都市ジッダまで運ぶことにしたと、サウジアラビアの国営メディアが報じた。サウジアラビア国営航空会社サウディアによるチャーター便は、出発便が8月22〜25日までの間、帰国便はハッジが終了する9月5日に、それぞれ運航する予定だ。

カタールの巡礼者が聖地メッカを訪問しやすいよう、サウジアラビアはカタール国境の唯一の陸路であるサルワも開放した。これにより、カタール国民は大巡礼のためにメッカを車で往復できるようにもなると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは伝えた。

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カタールは13の要求を拒否

カタールの巡礼者の受け入れは、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と、カタール首長家出身のシェイク・アブドラ・ビン・アリ・アール=サーニーが先週ジェッダで行った会談で合意した。だが宗教的な問題から合意した今回の特例が、政治的な対立の解消につながる可能性は低い。

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カタールと湾岸諸国の対立が悪化した発端は、6月上旬にサウジアラビアやエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンなどが、カタールはテロ組織を支援し中東のライバル国であるイランに接近していると非難し、カタールとの外交関係を断絶したこと。

その後4カ国は関係正常化の条件13項目をカタールに突き付けた。カタールの衛星ニュース局アルジャジーラの閉鎖や、イランとの外交関係の縮小、カタールにあるトルコ軍基地の閉鎖などもそれらの要求に含まれていたが、カタールは拒否した。カタールは小国だが、天然ガスの埋蔵量が世界第3位で、中東を統括する米中央軍の基地もある。

カラム・ペイトン