現在公開中の映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』でVFXスーパーバイザーを担当した太田垣香織のスタンド制作秘話が、ハリウッド超大作映画などで使用される最新VFX技術を専門に扱う海外サイト「The Art of VFX」に掲載された。

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 太田垣は、2000年にWOWOWで放送されたドラマ『多重人格サイコ/雨宮一彦の帰還以来、三池崇史監督の作品に参加し続けるVFXスーパーバイザー。山崎賢人演じる主人公・東方仗助のクレイジー・ダイヤモンド、伊勢谷友介演じる空条承太郎のスタープラチナ、山田孝之演じるアンジェロのアクア・ネックレス、岡田将生演じる虹村形兆のバッド・カンパニー、新田真剣佑演じる虹村億泰のザ・ハンドなど、本作ではスタンドの制作を担当した。

 そんなスタンド制作について太田垣は、「クレイジー・ダイヤモンドがいかにカッコよく見えるかというのがこの作品のVFXの重要なポイントでしたので、クレイジー・ダイヤモンドのダイヤモンドの質感に関してはかなりの時間をかけて作りました。そして、荒木先生に納得してもらえるスタンドを作ることが最大のプレッシャーでした。スタッフの中に原作漫画のファンがとても多かったので、その点はみんな同じ気持ちで取り組みました。何度か荒木先生にと直接お話しする機会をいただいてアドバイスしてもらったことが、作品のクオリティアップにつながったと思います。完成試写の際に先生からお褒めの言葉をいただいて大変光栄でした」と、作業が困難であったことと世界的人気コミックの実写化におけるプレッシャーを振り返っている。

 さらに、「クレイジー・ダイヤモンドは漫画では裸に見えますが、実写ではボディスーツを着せています。またダイヤモンドも漫画では細かい部分は描かれていません。様々なダイヤモンドの写真を参考にし、どれくらいの濁り具合がいいか? 中のひび割れはどれくらい入れるかを決めました」と、実写化ならではの表現の難しさがあったことも告白。他のスタンドのデザイン詳細についても、「原作や画集、フィギュアを検討して各スタンドの特徴を捉えるようにモデリングしました。そこから3DCGの画像にペイントしイメージを作り、三池監督、荒木先生にプレゼンテーションし、承認されてから細部のディティールを詰め精度を上げていきました。荒木先生にも全キャラクターアドバイスをいただいています」と、荒木飛呂彦全面協力のもと、慎重にスタンド制作が進められたと語っている。

 最も制作が大変だったスタンドは、スタープラチナだったことも明かしながら、「もっとも人間に近い見た目なので、人間は人間との違いを敏感に感じ取ってしまうのでとても悩みました。また映画の最初の方で出てくるスタンドで尚且つ正々堂々と承太郎と並んで出てきてしまうので、ここでお客さんがげんなりしないように最終的なルックを締切りギリギリまで試行錯誤しました」とコメント。

 また、仗助vs形兆戦に登場する形兆のバッド・カンパニーについては、「監督から最新の兵士にしたいとの要望があったので、漫画の要素を取り入れつつ最新装備の兵士にしています。モデル自体はリアルサイズになっても違和感がないように作り、たくさんいるからといっていい加減なアニメーションをつけてしまうと興ざめしてしまうので、1体1体しっかりアニメーションをつけました。アニメーションスタッフは『ブラックホーク・ダウン』などの映画を観て、兵士の細かい挙動を研究しました。また、迷彩色を決める際に普通の迷彩ではジョジョの世界観に物足りないと思い、荒木先生にお願いし迷彩を描き下ろしてもらいました」と、荒木に新たな描き下ろしの依頼をしたことも明かしている。(リアルサウンド編集部)

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記