3冠を達成した今井月【写真:編集部】

写真拡大

インターハイ、リオ五輪代表の美少女スイマーが過ごした涙と笑顔の4日間

「負ける悔しさ」を実感した17歳の夏だった。20日まで行われた全国高校総体(インターハイ)の競泳。最大の注目を集めたのは、リオデジャネイロ五輪代表の今井月(2年=愛知・豊川)だ。

 100メートルと200メートルの平泳ぎで個人2冠。400メートルリレーと合わせ、大会3冠を達成した。しかし、最終日に全レースを終え、テレビカメラの前に立つと、本音が口を突いた。

「改めて、負ける悔しさを知りました」

 開幕2日前の15日に17度目の誕生日を迎えた2年生は、初日の100メートル平泳ぎで「あぶね〜って感じ」と苦笑いで振り返った接戦を制し、400メートルメドレーリレーとともに2種目を制覇。しかし、第3日の400メートルメドレーリレーでは得意の平泳ぎで第2泳に挑んだが、3番手から順位を上げることができず。レース後には表彰台で悔し涙を流した。

「メドレーリレーでいい泳ぎができず、不安があった」という最終日。200メートル平泳ぎで個人2冠を達成こそしたが、800メートルリレーは2位に終わり、チームの総合成績も3位。目標としていた日本一には届かなかった。練習中から周囲の選手にも視線を注がれるような環境で戦い抜いた4日間。「敗戦」の事実から課題も浮き彫りになった。

「初日に優勝することができて、いい流れだった。悪くないなと思っていたのに。結果でしっかり貢献することが自分の一番の役目。それが当たり前。メドレーリレーは去年優勝している種目だし、優勝したかった。その部分で心残りはある。長く続く大会でもしっかりと戦えるようになりたい」

「負ける悔しさ知った」の後に続けた言葉…明かした17歳の「夢」とは?

 1年前、16歳ながらリオ五輪で世界最高峰のスタートレーンに立った美少女スイマーは、今年も7月の世界選手権にも出場。池江璃花子、長谷川涼香ら同年代の選手とともに「東京五輪の星」という肩書も、いつしか付いて回るようになった。「去年、五輪が終わった時、これから世界で戦って行けるのか不安が大きかった」と振り返る。

 年齢を重ねる分だけ、周囲から成長も期待される。しかし、今回は高校生相手。世界選手権は個人メドレーで出場したため、練習もメドレーに専念。平泳ぎを本格的に再開したのは帰国してから。もちろん、疲れもある。それでも、結果だけでなく内容も求められる立場にある。だからこそ「負ける悔しさ」は心にのしかかった。

 しかし、ただで転んでは今井月じゃない。冒頭のコメントの後、今井はこう続けていた。

「悔しさを知って、もっともっと強くなりたいと思いました。世界のトップで戦うことが夢。これをステップとして、頑張っていきたいです」

 負けてもっと強くなる――。最後は吹っ切れたような笑顔を見せた今井。一度は泣き腫らした瞳の奥に、逆襲の闘志を宿していた。

◇インハイ競泳、日大豊山&埼玉栄が総合V 17日に開幕した競泳は20日に閉幕。男女計32レースで行われ、男子は日大豊山、女子は埼玉栄が総合優勝を飾った。なお、今大会は全国高体連公式インターハイ応援サイト「インハイTV」を展開した。全30競技の全試合をライブ配信し、インターネット上で観戦、応援が可能に。また、映像はYoutube公式チャンネルで大会終了後でもさかのぼって視聴でき、熱戦を振り返ることができる。