ムグルッサが初タイトル、ハレプはまたも世界1位を逃す [ウェスタン&サザン・オープン]

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 ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は笑みを乗せた顔を両手で覆い、目を閉じた。

 ウィンブルドン・チャンピオンは彼女のブレークの夏に、もうひとつのタイトルを加えた。そしてこの優勝は、ナンバーワンになれそうでなかなかなれない選手を犠牲にして実現された。

 アメリカ・シンシナティで開催された「ウェスタン&サザン・オープン」(WTAプレミア5/8月14〜20日/賞金総額283万6904ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝で、ムグルッサはハレプを6-1 6-0で下し、今大会の初タイトルを獲得した。試合時間はわずか56分だった。彼女はまた、この優勝により、ハレプに再度おとずれたWTA世界ランキングでナンバーワンになるチャンスを潰すことにもなった。

「正直、私は彼女の状況を考えていた。辛いことに違いないと思う」とムグルッサは言った。「でも私も、このタイトルを勝ち獲りたかったの」。

 彼女はウィンブルドンに続き今季2つ目で、アメリカの地では自己初となるタイトルを獲得した。ウィンブルドン以降の3大会で、ムグルッサは最低でも準々決勝には進出している。そして今、彼女が失望の歴史を持つ全米オープンのため、ニューヨークに向かうときがきた。

「タフな試合は、決して私の望む方向に進まない。私はそれを変えたいの」とムグルッサは言った。「今年、私はそのためのレシピを見つけたい」。

 この敗戦はハレプにとって大きな失望だった。あと一勝でナンバーワンというところまでこぎつけながら、それができなかったのは、今年これでもう3度目だ。彼女は、全仏オープンとウィンブルドンで、やはりその"あと一勝"をつかむことができず、ここ数週間というもの、そのことが彼女の脳裏に宿り続けていた。

 それはおそらく、この日のお粗末な試合ぶりと何らかの関係があったのかもしれない。

「もしかすると私はプレッシャーを感じていて、それに自分では気づいていないのかもしれない」とハレプは言った。「もしかしたら、私はただまずいプレーをしただけなのかもしれない。何というべきなのかわからないわ。でもそれは、まだすぐそこにある。私にはまだチャンスがある。だからそれを手に入れるために私は努力し、もしかするといつの日か実現するかもしれない」。

 ハレプは2015年にもシンシナティでセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に敗れ、準優勝に終わっていた。彼女は大いに勢いに乗ってこの決勝に乗り込んできた。今季初めに彼女を制限していた膝の故障からは完全に回復し、この日曜日まで、一度もセットを落としていなかった。ところが決勝では、決して試合の核心に入り込むことができなかったのである。

 第1セット、ムグルッサはハレプの最初のサービスをブレークして2-0とリードし、その時点ですでに試合の主導権を握っていた。23分で終わったそのセットで、ハレプはわずか12ポイントしか取れなかったのだ。ムグルッサは第2セットの最初のゲームでまたもブレークを果たし、自身は試合を通し、2度しかブレークポイントに直面しなかった。

「自分がコート上で少し圧倒されていると感じるとき----実際私はポイントをコントロールできていないと感じていたのだけれど、おそらくそのことゆえに、少し自信をなくしてしまったのかもしれない」とハレプは言った。

 試合が終わったとき、ムグルッサはネット際でハレプを祝福してから、笑みを乗せた顔に手を当ててコート上を歩きまわった。それから彼女は手を胸の上に乗せ、拍手喝采を送る観客に向かってそれを差し伸べた。

 女子のドローは、セレナ、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、マリア・シャラポワ(ロシア)を欠いていた。ムグルッサは準決勝で、前年度覇者で現ナンバーワンのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を6-3 6-2で下していた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ウェスタン&サザン・オープン」で優勝したガルビネ・ムグルッサ(スペイン)。決勝の相手、シモナ・ハレプ(ルーマニア)は勝てば世界ナンバーワンになるはずだった。(写真◎Getty Images)
Photo: MASON, OH - AUGUST 20: Garbine Muguruza of Spain celebrates her win over Simona Halep of Romania during the women's final on day 9 of the Western & Southern Open at the Lindner Family Tennis Center on August 20, 2017 in Mason, Ohio. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)