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●爪水虫の主な治療パターンは2つ

足の爪が白かったり、黄色く濁っていたりはしないだろうか。足の爪が濁っている原因の一つとして考えられるのが「爪水虫(つめみずむし)」だ。爪水虫とはどういった症状で、治療にはどんな方法があるのだろうか。皮膚疾患に詳しいメンズヘルスクリニック東京の竹中洋史医師に話をうかがった。

○カビの一種が爪に侵入している状態

爪水虫(爪白癬)とはカビの一種である白癬菌(はくせんきん)が足の皮膚から爪の中に侵入することで、爪が濁って見えたり、爪自体が分厚くなってきたりする。また、爪の下の方がボロボロになるのも特徴だという。

「爪水虫は足白癬(いわゆる水虫)を患っている人が発症するもので、足の皮膚の白癬が爪に移動して引き起こされます。爪白癬は足白癬のようにかゆくなったり、ジュクジュクしたりすることはありません。見た目以外に自覚症状はないのですが、白癬はスリッパやバスマットなどを共用することで他人へ感染してしまいます。そのため、他人への感染を防ぐために治療が必要となります。家庭内に限らず、フィットネスクラブや銭湯などでも感染のリスクがありますから、注意が必要です」

竹中医師は、爪水虫の治療には主に2つのパターンがあると話す。治療に使われるのは基本的に飲み薬だが、最近では新たに爪白癬に効果のある塗り薬の治療法も出てきているという。

「飲み薬にはイトリゾールとラミシールという2種類の薬があり、塗り薬にはクレナフィンとルコナックの2種類の薬があります。基本的には治療に使われるのは飲み薬です」

竹中医師は原則的に飲み薬を処方しており、飲み薬を飲めない人に限り塗り薬を処方しているとのこと。

●爪水虫の治療法を徹底比較!

それでは、飲み薬と塗り薬では治療にかかる費用や期間にどういった違いが出てくるのだろうか。以下にそれぞれの詳細をまとめたので参考にしてほしい。

飲み薬の場合

■治療にかかる期間……爪水虫を飲み薬で治療する場合、その程度によるものの、完治まで約1年かかるとされている。「イトリゾールを飲む場合には『1週間内服して3週間休む』を1クールとして、これを3回繰り返します。これをパルス療法と言います。爪の伸びるスピードに合わせてなので、治るのはほんの少しずつです」

■治療にかかる費用……「イトリゾールは3クール飲んで、薬代が3万円ほどです。完治する可能性は91.5%です。飲み薬のもう一つ、ラミシールの場合は飲み方が異なり、毎日の服用を6カ月以上必要とします。こちらは6カ月飲んで薬代が2.5万円ほどになります。ラミシールも1年服用してもらって、完治率は75%です」と竹中医師。ただし実際にはこのほかに、皮膚科での初診料や再診料、定期的な採血にともなう検査代が別途かかるとのこと。

■治療の副作用……飲み薬の場合、副作用として肝機能障害があるため、定期的に採血してその程度を調べる必要があると竹中医師は話す。もともと肝機能障害を患っている場合には、そもそも飲み薬は処方されないとのこと。また、イトリゾールもラミシールも併用できない薬が複数あるため、別の薬を内服中の場合や新たに薬を服用する場合には、医師に確認が必要となる。

■治療の経過……「新たに伸びてきた爪に感染しないように薬を使用するので、爪白癬の進行状況によって異なりますが、だいたい2〜3カ月で1mm治るといった程度でしょうか。爪の奥まで白癬が感染している場合は1年ほどかかりますし、爪の半分程度の感染の場合はその半分ほどの期間ですみます」

塗り薬の場合

■治療にかかる期間……塗り薬もまた、飲み薬と同様に治療には1年ほどを要するようだ。だが、完治の確率が飲み薬と大きく異なる。「クレナフィンもルコナックも毎日1回、爪全体に塗る必要があります。これを1年続けてもらうと、完全治癒の確率が15%となります。確率だけを見てもらうとわかるように、やはり飲み薬のほうが効果的です」

■治療にかかる費用……「薬の料金はクレナフィンが1本1,770円、ルコナックが1本1,050円。いずれにしても1カ月に2〜3本使用します。保険適用の3割負担でこの価格ですから、塗り薬としては高価だといわざるをえません。飲み薬のほうが効率的に治療できますので、やむをえない状況でない限りは飲み薬で治療したほうがよいでしょう」

■治療の副作用……塗り薬の場合、飲み薬のような肝機能障害の心配はないようだが、接触性皮膚炎(かぶれ)になる可能性があるとのこと。

●市販薬を用いて自分で治せるのか?

○薬や手術による爪水虫治療の可能性

こういった専門薬に頼らず、爪水虫を治すことは可能なのだろうか。その答えはNOだ。市販薬では爪水虫の治療が難しいと竹中医師は解説する。

「爪白癬は足白癬と違い、ドラッグストアで売っているような市販薬では治療ができません。また、症状が出たからといって爪白癬だと決めつけることはできず、必ず検査が必要になります」

検査では白癬菌が寄生している部位を採取し、顕微鏡で観察。そこで白癬菌が見つかれば白癬で、見つからなければ白癬ではなく違う原因があるということになる。その検査を行うのは皮膚科となるため、爪白癬を疑う場合には信頼できる皮膚科を受診するように。

市販でラミシールのクリームや液体ローションなどが売られているが、爪に塗ったところで爪白癬には効果を示さない。

「ラミシールは飲まなければ効果を発揮しませんので、塗ったところで効果はまったくありません。もちろん足白癬には有効な手段ですから、足白癬であればラミシールの塗り薬をお使いいただけます」

爪水虫に対して「手術」という選択肢を取れる可能性もある。竹中医師は、一部のクリニックでレーザーによる施術が行われているようだと話す。一部の美容クリニックで行っているそうで、治療に要する期間の目安は1年ほどだという。

治療に際し、副作用の心配はないそうだが、美容クリニックの場合は費用が10割負担になる点がネックとなる。さらにレーザー治療も即効果が期待できるわけではなく、薬同様に長期戦を覚悟しなければならないという。

「美容クリニックで使用しているYAG(ヤグ)レーザーというレーザーで、1〜2カ月に1回のペースで施術していくようです。1回やれば終わりというわけではなく、やはり定期的に通って1年ほど通院の必要があるみたいです」

○爪水虫は即治療が原則

爪水虫に感染しやすい人の特徴としては「糖尿病を患っている」「足をあまり洗わない」などがあげられる。同居人の中に白癬患者がいる場合は、治療を進めるのと並行して、足ふきマットやスリッパを共用しないことが感染を拡大させないための対策となる。

爪水虫にかかってしまうと、いずれの方法であっても治療には長いスパンがかかってしまう。そのため、足白癬を患っている場合には爪に移行しないよう、さらには他の人へ感染しないよう、足白癬を治療することが第一になりそうだ。

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