北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は7月25日、開城(ケソン)愛国複合微生物肥料工場がカリチタン肥料150%、リン最近肥料は100%、目標を超過達成したと報じた。

それに先立つ17日には、平安南道(ピョンアンナムド)の順川(スンチョン)で、りん肥料工場の建設が始まったと報じた。報道が事実ならば北朝鮮の農業の現場は肥料であふれかえっているはずだが、現実には全然足りていない。

人糞を集めての堆肥生産は、北朝鮮の正月の恒例行事として知られるが、実際は年がら年中行われている。当局は先月、雑草を発酵させて作る草堆肥の生産を命じた。

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両江道(リャンガンド)の情報筋によると、内閣の農業省は7月20日から8月10日までを草堆肥の生産期間と定め、農場員1人あたり30トンの堆肥を作ることを命じた。ここ数年と比べて、量が3倍に膨れ上がっている。

30トンの堆肥を作るには、300トンの雑草が必要だ。期間内にそれだけの堆肥を作るには、1日平均15トンもの雑草を刈らなければならない。草刈り機もトラックもないため、背負子で決められた場所まで運ぶしかない。

2009年に当局が指示した1人あたりの生産量は1トンで、生産期間は7月20日から8月30日だったことを考えると、今年の酷さが際立つ。

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協同農場では、国の無茶ぶりの犠牲になる人が相次いでいる。

7月28日には、三水(サムス)郡の番浦(ポンポ)協同農場4作業班所属の夫婦が、草刈りの途中に木の下で雨宿りしていたところ雷に打たれて死亡した。また30日にはひとりの農民が、熱中症で倒れて死亡した。全国的に見ると、犠牲者の数は計り知れないだろう。

専門家によると、北朝鮮の肥料消費量は年間155万トンだが、生産量は50万トンに過ぎない。不足分は、中国に石炭を輸出し、その利益で輸入していた。しかし、中国は、国連安保理の制裁決議に従って、北朝鮮からの石炭輸入を停止している。

当局は、人々を動員して不足分を穴埋めしようとしているということだが、穴は埋まるどころか深くなるばかりだ。

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