対談は会話が弾んだ。CB同士で通じ合う部分が大いにあったようだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 サッカーの未来について考える。語る。
 対談連載の3回目は、スペインで活躍する鈴木大輔選手にお話を伺いました。
 
 私が鹿島で3連覇を成し遂げることができたのが2009年。ワールドカップメンバーに名を連ねることができたのが2010年。アジアカップで優勝することができたのが2011年。この頃から私は海外移籍を模索するようになりました。
 
 燃え尽きた、という感覚は一切ありませんでした。むしろタイトルへの飢えや成長への飢えがより大きくなっていました。
 
 まず狙ったのはヨーロッパへの挑戦でした。一流国のトップリーグでなくとも、中堅国や一流国の2部リーグでかまわないと思っていました。しかし、実現できませんでした。
 
 自分が歩んできたキャリアに後悔はありませんが、グローバルなスポーツであるサッカーに生かされている者として、アジアの外に出たことがないことにコンプレックスを抱いているのは事実です。世界には私の知らないサッカーがたくさんあり、私が知った気になって勘違いしていることがたくさんあるのだろうと思っています。
 
 鈴木大輔選手は今、スペイン2部で奮闘しています。鈴木選手は、2012年のロンドン・オリンピックで吉田麻也選手とセンターバックでコンビを組んで、日本のベスト4進出に大きく貢献した後、J1の柏レイソルでもバリバリのレギュラーとしてプレーしていました。これからはチームを引っ張る存在になっていくのだろうと思われていたなかでの突然の海外移籍は、驚きとともに決意や信念を感じさせました。
 
 鈴木選手のスペインでの挑戦も1年半が経過しました。私ができなかった挑戦。私が見ることができなかった景色。それを少しでも近くで想像したくて、サムライセンターバックにお話をうかがいました。
 
 対談の相手に指名するまで自分でも気づいていませんでしたが、私はちょっぴり、彼の日々をうらやましいと思っているのです。
 
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岩政 お久しぶりです。今回のオフの期間はどれくらいですか?
 
鈴木 1か月弱です。最初に少し休んでから、身体作りに入りました。これまで筋肉を肥大させるトレーニングをしてきたんですが、スペインに行ってパワーにパワーで対抗してもダメだなと感じました。ボールを奪えるのは、身体を上手く入れたり、間合いをコントロールできた時。それはパワーではなく、上手く自分の身体を動かせた時だなと。それで、今は身体を思ったように動かすトレーニングに特化しています。
岩政 具体的には、どんなメニューを?
 
鈴木 股関節や肩甲骨の可動域を広げたり、初動負荷のトレーニングですね。
 
岩政 そうですか。やっぱり股関節と肩甲骨に行きつきますよね。私もやっていました。ただ、新しいトレーニングを取り入れると、今までと違う部位の筋肉に張りが出てくる場合があります。さらに、本当の問題は、そこが過ぎた後。トレーニングを変えて1、2年くらいすると、なんとなく大きく変わることが無くなるんです。
 
鈴木 そうなんですか?
 
岩政 始めた頃に比べると、ね。変化がないので、つまらなくなるというか、この練習を続けていいのかと疑問が出てきます。そこで辞めてしまうと積み重ねが無駄になってしまう。私は20台半ばくらいでいろいろ始めましたが、30歳を過ぎてからやっとプレー中に「これハマってるわ」という感覚が出てきました。
 
鈴木 自分の型ができた感じですね。
 
岩政 そう。そこまで仕上げるには時間がかかりますよ。
 
鈴木 自分はもう27歳なので、少し気付くのが遅かったかもしれません。でも、とにかくやってみようと思っています。それで最終的に自分の型に辿り着きたいですね。