プレシーズンでは高い評価を得た鎌田。ブンデスリーガ・デビュー戦では課題を残したが、ボアテング、ファビアンといったライバルを蹴落としてピッチに立ち続けられるか。今後の挑戦が楽しみだ。写真はDFBカップ1回戦のもの(鎌田は右端)。 (C) Getty Images

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 8月20日(現地時間)、ブンデスリーガの開幕戦が行なわれ、フランクフルトとフライブルクの一戦は、スコアレスドローに終わった。

 長谷部は今年3月11日のバイエルン戦で右膝に重傷を負って以来のブンデスリーガ復帰であり、このアウェーマッチでは最後尾の中央でリベロとして守備陣、そしてチームをコントロールした。
 
 一方、今夏にサガン鳥栖から加入した鎌田は、ブンデスリーガのデビュー戦でスタメン出場。フランスU-21代表のアレと2トップを組んで、未知なる戦いに臨んだ。
 
 プロ3年目の21歳・鎌田は、序盤から前線を広く動き回り、ボールを持った相手DFを追い回す。これによって敵のパスコースを絞り込み、攻撃のかたちを限定することとなり、フランクフルトの連動した守備においても重要な役割をこなした。
 
 11分には相手ペナルティーエリアの手前で、このチェイシングによってボールを奪い、すかさずアレにパス。これを受けた新加入のパワフルなストライカーは迷わずシュートを放ち、相手GKを慌てさせた。
 
 16分に左サイドでボールをキープして相手のファウルを引き出し、好位置でFKを得ると、21分にはタイミングの良いエリア内への走り込みでガチノビッチのパスを引き出して得点機を迎えたが、正直過ぎるシュートは相手DFに当たってゴールとはならない。
 
 35分にデグスマンが好位置でボールを受けた際には、彼のシュートコースを作り出すためにサイドに走り込むなど、鎌田は幾度か、攻撃面でも貢献を見せた。
 
 後半に入っても、守備での働き、前線でボールを受けるための精力的な動きに変わりはなかった鎌田。後方からのパスをしっかり収め、味方に預けたり、ドリブルを仕掛けて相手のファウルを誘発したりするというプレーも見られた。
 
 しかし、前線の選手としてのインパクトは、残念ながらほとんど感じられなかった。彼の持ち味である技術やスピードを活かす場面がほとんどなかったのは、チームの組織としての攻撃がまだ熟成していないという事情はあったからでもあるが、それを差し引いても、鎌田は大人し過ぎた。
 
 前半アディショナルタイムに、エリア手前でプレッシャーの弱い状態でボールを受けながらも、仕掛けやシュートではなくチャンドラーへの縦パスを選択し、60分にも前が空いたにもかかわらず、ドリブルで前進せずに味方へパス、しかもミスでチャンスを逸した場面は象徴的だった。
 
 前述のガチノビッチのパス、そして41分にアレのスルーパスを引き出した前への動きは良かったものの、それ以外で良いかたちでボールを受けることはなく、クロスやセットプレーでも、鎌田にボールが渡ることはほとんどなかった。
 
 チームとしての連係もさることながら、彼自身のボールを受けるための動きの向上がなければ、この先は難しくなることを、67分に彼に代わって登場し、幾つかの好機に絡んだボアテングの積極的な姿勢が物語っていた。
 
 また、懸念されているフィジカルの強化も急務だろう。この試合では、相手からプレッシャーを受けた時だけでなく、自分からチャージを仕掛けておきながら、自身がバランスを崩している場面も幾度か見られた。
 
 そんな、余裕の感じられなかった鎌田とは対照的に、長谷部は試合を通して、冷静なプレーが光った。
 
 16分、ニーダーレヒナーに裏を取られてクラインディンストのゴールを許したかと思われたが、VARによってノーゴール。守備のリーダーである彼には、ニーダーレヒナーがオフサイドだったという確信があったようだ。
 
 相手に寄せられてもむやみにクリアせず、しっかりボールをつないだ長谷部は、コンディションの良さを感じさせた。58分、ニーダーレヒナーの蹴りが右膝に入って倒れた際にはヒヤリとさせられたものの、立ち上がり、その後もピッチ上で身体を張り続けた。
 
 試合は、ホームのフライブルクがボールポゼッションで上回りながらも決定的には結び付けられず、フランクフルトはアレの身体能力を活かしたプレーなどでチャンスを得るも、こちらも連係で相手の守備を崩すことは少なく、ゴールはなし。ともに攻撃に大きな課題を残すこととなった。
 
 フランクフルトは8月26日に行なわれる2節では、ヴォルフスブルクとのホーム開幕戦に臨むこととなる。