つい先日、某有名観光地の旅館で仲居さんを6年やっていたという20代後半の女の子と話す機会があった。

その子は、今でもお客さんからもらったお礼の手紙や、感謝の言葉がぎっしり詰まったアンケートを大事に保管していて、それが宝物だと語っていた。

…が、しかし! 観光地のホテルや旅館ともなれば、本当にさまざまなお客さんが出入りする場所である。

そこで、感動的なエピソードで終わりそうなその場の空気をぶっ壊すがごとく、あえて「イヤなお客さん」はいたのか、と聞いてみた。

ここに登場する人たちは、つまり反面教師である。

case 01.
「ケチだなぁ」
「マニュアル女が」

彼女いわく、「こっそり食事を持って帰ろうとするお客さん」は多いという。もったいないから、という理由は分かるものの、衛生面を徹底している旅館業において、食中毒などの問題が起きてから、では遅いのである。

つまり、断腸の思いで「ご遠慮ください」と断っている。

それに対し「ケチだなぁ」とか「マニュアル女が」などと言われたこともあるらしく、これいかに…。

ちなみに仲居さんを呼ぶときにも、そのお客さんの人となりが出るという。印象が悪いのは「おい」や「手を叩く」「グラスを箸で叩いてチーンで呼ぶ」など。意外や意外、けっこうそういう人は多いらしいのだ。

【私は、こういう客でありたい】
まずは残さず食べ、おいしかった時は素直にそう伝える。

case 02.
「お前、声かけろよ〜」
「うちの息子、どうかしら?」

ざっくりいうと、プライベートの強要である。

アドレスやメッセージ交換を狙ってくる人がいるのはなんとなく想像していたものの、とくに男性ひとりのお客さん(しかも予約なしの当日ウォークイン)はこのパターンが多いとか。あとは、春休みにくる男子5人グループはややこしいらしい。「お前が声かけるって言ったじゃないかー(ニヤニヤコソコソ)みたいのがあり、怒涛のスケジュールで仕事をしている側としては、それなりにめんどくさいという。

当然、お客さんなので邪険にもできないし「逃げられない」という表現を彼女は使っていた。

そして興味深かったのが、自分の息子のお見合い写真を持ってくる人がいる、というものだった。写真だけならまだしも「息子、登場!」みたいなパターンもあるらしく、これは相当困るに違いない。「優しい子なの。どうかしら?」と言われても…。

悪意がないだけに、下ネタをぶっこんでくるおじさんより強敵かもしれない。

【私は、こういう客でありたい】
一定の距離感こそ、長くいい関係が続く秘訣であることを肝に命じる。

case 03.
「本官、脱ぐであります」な警察官
「到着が遅れそうです」な教師

彼女の名誉のために「すべての人ではないのですが…」という前提は置きつつ、よくある話(宴会・団体編)を聞いてみた。

・警察官はだいたい脱ぐ
・半裸ではなく、全裸になりたがる
・そして見せたがる

・教師の団体は、ほぼ時間を守らない
・集まりが悪く、開始も遅れ、終了も遅れる
・5分前行動とはなんだったのか

・お坊さんの団体が実は一番タチが悪い
・多少の下ネタには慣れてるけど、お坊さんのは引くレベル
・仲居さんをコンパニオンだと勘違いしてる

あくまでも彼女の印象なので、悪しからず。ちなみに、すごく印象がいい団体もあるとか。

・見た目はチャラいけど、美容師団体はマジメ
・体育系なのか、挨拶・時間厳守が徹底されていた
・食事を残さず食べてくれた

・見た目はゴツいけど、建設関係の人たちは謙虚
・悪酔いした仲間がいたら注意したり、部屋に連れていく
・集まりも早いし、引きも早い

…なんか分かる気がする、と思ってしまったのは私だけ?

ちなみに、直接仲居さんに迷惑をかけるわけではないものの「40〜50代の同窓会の盛り上がりは、いろいろな意味でやばい」という彼女の言葉もすごく興味深い。ただし多くは語らず。

【私は、こういう客でありたい】
自分のイメージ=団体・職種・出身地のイメージにつながってしまうことを理解した上で、最大限に楽しむ。

case 04.
「将来は女将さんになるの!?」
「先輩に怖い仲居さんいる!?」

ドラマの見すぎである。

【私は、こういう客でありたい】
100回以上聞かれているであろう質問はしない。

case 05.
音信不通

楽しい楽しい旅行。目の前のものに夢中になってしまうことは分かる。

だけど「ちょっと遅れます!」→3時間以上連絡が取れない、とか予約だけしてそのまま音信不通、はさすがにつらい、というのが彼女の主張。そりゃそうだ…。

【私は、こういう客でありたい】
時間を守ることで、最高の食事、サービスを体験する。